ダダチャマメ系品種の特性 : 堆肥を施用した場合の効果

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  • ダダチャマメケイ ヒンシュ ノ トクセイ : タイヒ オ シヨウ シタ バアイ ノ コウカ

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抄録

ダダチャマメ系10品種を用いて,その生育特性および成分特性について明らかにした。ダダチャマメ系品種は,夏ダイズ型に属し,ほとんどの品種は胚軸の色が緑で白花であったが,2品種は胚軸の色が紫を帯び紫花であった。成熟期のダダチャマメ系品種の種皮は褐色であり,粒形は扁楕円体で種皮に皺があるが,皺の程度には品種間差異が認められた。エダマメの調査は開花35日後(100粒重は成熟期の55日後)に行ったが,開花までの日数と収量に関係する形質,すなわち全重,莢付き重,1株莢数および1株莢重などの形質と高い有意な正の相関があった。また主茎節数と全重や1株莢数などの形質との間にも相関が認められた。堆肥を10a当たり2t施して,多投した場合,標準栽培に比較して,生育や収量の全ての形質で顕著に良好になった。食味に関係する成分として,2品種の子実中の遊離アミノ酸および糖を分析した。遊離アミノ酸として,γ-アミノ酪酸(GABA)およびα-アミノ酪酸(AABA)含めて22種の遊離アミノ酸を検出したが,遊離アミノ酸に占めるグルタミン酸,アスパラギンおよびアラニンの3種のアミノ酸の割合は55%であった。ダダチャマメ系品種の子実には,全遊離アミノ酸が新鮮重100g当たり約1,000mg含まれていたが,堆肥を多投した区では約1.3倍に増加した。特にヒスチジンおよびアルギニンの増加が顕著であった。ダダチャマメ系品種の糖に関して,エダマメに含まれる糖には,スクロース,グルコース,フルクトースおよびイノシトールの4種が認められた。このうちスクロースは平均して全糖の85%を占め,分析した2品種共に,約5%の全糖を含有していた。堆肥を多投した栽培では遊離アミノ酸は増加したが,糖に関して有意な差異はなかった。以上のことから,10a当たり2t程度の堆肥の投入は,エダマメの生育を良くし,収量を確保し,良質なエダマメの生産にとって良好な結果をもたらすことを示している。

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