オーラルディアドコキネシスを用いた構音機能の評価と発声発語器官障害との関連

  • 杉本 智子
    新潟大学大学院医歯学総合研究科予防歯科学分野
  • 葭原 明弘
    新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔保健学分野
  • 伊藤 加代子
    新潟大学医歯学総合病院口腔保健科加齢歯科診療室
  • 宮﨑 秀夫
    新潟大学大学院医歯学総合研究科予防歯科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • The Relationship between Articulation Function Evaluated by Oral Diadochokinesis and Speech Mechanism Disorder
  • オーラルディアドコキネシス オ モチイタ コウオン キノウ ノ ヒョウカ ト ハッセイ ハツゴ キカン ショウガイ ト ノ カンレン

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抄録

<p> 本研究の目的は,オーラルディアドコキネシス(以下OD)を用いて構音機能と発声発語器官の障害との関連性について明らかにすることである.発声発語器官に運動障害を有しリハビリを施行している患者29名(男性23名,女性6名,平均年齢68.8±9.3歳)を対象とした.対象者全員に対して,ODを測定するとともに,同時に発声発語器官検査を加えた3種の検査を行った.ODと発話の検査,発声発語器官検査ならびに口腔顔面領域および摂食・嚥下の障害との関連について重回帰分析を用いて評価した.</p><p> 重回帰分析の結果,ODの/pa/ /ta/ /ka/ いずれにおいても有意な関連があった項目は,発話の検査では,「発話明瞭度」および「発話の自然度」であり,測定値が高くなるほど発話が「よくわかる」および「全く自然である」者が多くなった(標準偏回帰係数(β)=0.42~β=0.71;p<0.001~p=0.037).発声発語器官検査では,「最長呼気持続時間」および「最長発声持続時間」において,測定値が高くなるほど持続時間が長かった(β=0.46~β=0.62;p=0.002~p=0.021).さらに,「舌の突出」および「前舌の挙上」について,測定値が高くなるほど評価点が高い者が増加した(β=0.46~β=0.52;p=0.007~p=0.020).また,「摂食・嚥下障害」については,ODの/ta/(β=0.49;p=0.012)および/ka/(β=0.54;p=0.005)で有意な相関が認められ,測定値が高くなるほど障害がない者が増加した.</p><p> 以上より,構音機能障害が,発話,呼吸,発声および摂食・嚥下障害と関連していることが示唆された.</p>

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