涼宮ハルヒと現代文学 : 環境文化史的情報爆発後の世界

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タイトル別名
  • Haruhi Suzumiya's Postmodern Literature : After Information Explosion
  • リョウキュウ ハルヒ ト ゲンダイ ブンガク : カンキョウ ブンカシテキ ジョウホウ バクハツ ゴ ノ セカイ

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抄録

谷川流の小説 『涼宮ハルヒの憂鬱』 (以下 『涼宮』)1 で描く情報爆発後の世界を、 ・トフラー『第三の波』 (1980) や環境文化史的視点での、 現代文学的読解の方法であるリンクによりシュミレーションする。 現代文学の研究はリンクを用いたキャラクターデザインの解析と各々の項目が持つ予言的要素を汲み取ることがその本体となる。 情報革命に至るパラダイムシフトの歴史をたどると、 農業革命では中央集権国家が生まれ税金を徴収し、 公共事業や侵略戦争、 私有という制度が生まれ、 中央集権国家の崩壊後、 地方分権国家と貨幣経済が発生する。 それに次ぐ産業革命後の社会は、 分業による大量生産、 機械の発明による部品の互換性精度、 文学や音楽と著作権の成立する時代である。 現在進行形である情報革命後の世界ではこれら獲得した制度のいずれかの選択に迫られている。 集権制か分権制か、 どちらにせよ情報の隠蔽と暴露が不信を招き、 ネットからの孤立主義 (スタンドアローン・コンプレックス) を生む。

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