Estimating forest biomass using allometric model in a cool-temperate fagus crenata forest in the appi highlands, Iwate, Japan

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  • 安比高原ブナ二次林における地上部・地下部バイオマス現存量の推定

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岩手県八幡平市安比高原の緩斜面に成林したブナ林における森林動態を評価するため、ブナ生立木の伐倒および掘取調査を行い、そのバイオマス推定式を作成した。安比高原の調査対象地では立木密度が1,666本ha-1であったが、そのうちブナが本数で75%、胸高断面積合計で80%を占めた。調査地周辺から大小さまざまなサイズのブナ12本を選定し、個別に葉、枝、幹、根の各重量を測定した。データを解析し、各部位のバイオマス推定式の作成を試みたところ、各部位のバイオマス量は胸高直径を独立関数としたアロメトリー式に高度に有意であった(Adjusted R2=0.92-0.99)。精度検証用の外部データを用い、部位別にアロメトリー式の精度評価を行ったところ、幹の推定精度が高いことを確認したが、葉や枝、根は、樹木サイズが小さな立木において林分分離が認められ、幾分精度が低かった。これは、従来、幹に比べその他の器官は林分や成長ステージによって林分分離や林分内分離を起こしやすいとの報告があり、精度検証用の外部データに対する枝や葉の推定値の標準誤差(SEP)が相対的に大きくなったためである。しかし、葉や枝、根のバイオマス量が過小評価となった個体はdbh<10cmのものが主であり、森林バイオマスの主体は幹であったことから、安比高原ブナ林全体のバイオマス量を推定する上では概ね問題とならない。作成したアロメトリー式を用いて安比高原ブナ林のバイオマス量を計算した結果343t ha-1と試算された。この値は日本のブナ林を対象とした既往のバイオマス調査データの平均値に比べ、やや高めであった。本研究で作成したブナ生立木のアロメトリー式を用いることで、安比高原ブナ林における炭素動態の年変動を高精度で定量的に評価可能となり、今後森林動態に関わる研究を進めていく上で大変有用である。

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