-
- 石岡 学
- マンチェスター大学
書誌事項
- タイトル別名
-
- Fairness of Selections in the Discourses on “Lottery” in the Discussion regarding the Reform of Entrance Examinations for Middle Schools in Japan in the 1920ʼs
- 1920ネンダイ ニホン ノ チュウトウ ガッコウ ニュウシ カイカク ロンギ ニ オケル 「 チュウセン 」 ロン ニ ミル センバツ ノ コウセイセイ
この論文をさがす
抄録
本研究の目的は,1920年代日本の中等学校入試改革論議における「抽籤」に関する言説に照準し,「抽籤」に対する賛否の対立軸の分析を通して,選抜の公正性がいかに捉えられていたのかを解明することである。<BR> 1章では,公平性と正当性の二要素から構成されるものとして選抜の公正性を概念定義した。その上で,1920年代の中等学校入試に関する先行研究を検討し,これまで等閑視されてきた「抽籤」をめぐる議論を分析する意義について論じた。<BR> 2章では,1920年代に中等学校入試が社会問題化した背景について論じた。入試改革には,準備教育の軽減・入学難の解消・的確な能力選抜という3つの問題の解決が期待されていたことを述べた。<BR> 3章では,従来の入試にかわる入学者決定法としての「抽籤」に関する議論を分析した。賛成論の多数派であった条件付き賛成論は,先天的素質の差異は固定的・恒常的だとする能力観を基盤に,大多数の中位者に対する能力判定は困難とする認識に立脚していた。一方,反対論は能力の伸長可能性を前提としており,人為的選抜の技術的な限界に対する意識は希薄であった。<BR> 4章では,1927年に行われた文部省の入試改革における「抽籤」の位置づけについて論じた。人為的選抜の困難性という認識が,実際の改革においても引き継がれていたことを明らかにした。<BR> 5章では,選抜の公正性という問題に対して「抽籤」論が持つ含意について考察した。
収録刊行物
-
- 教育社会学研究
-
教育社会学研究 94 (0), 173-193, 2014
日本教育社会学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680373488512
-
- NII論文ID
- 130005075276
-
- NII書誌ID
- AN0005780X
-
- ISSN
- 21850186
- 03873145
-
- NDL書誌ID
- 025491993
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
- KAKEN
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可