非行少年の指導に対して教師が抱くイメージの特徴について―態度や共感性との関連から―

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タイトル別名
  • Teachers' images of dealing with delinquent students: The relationships between images, attitudes, and empathy
  • ヒコウ ショウネン ノ シドウ ニ タイシテ キョウシ ガ ダク イメージ ノ トクチョウ ニ ツイテ : タイド ヤ キョウカンセイ ト ノ カンレン カラ

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抄録

<p>本研究の目的は,非行少年に対する指導について教師が抱くイメージの特徴を,非行少年への個別的な指導に対する態度および共感性との関連のあり方から検討することである。中学校または高校の教師に対して,非行少年への指導に対するイメージ,個別的な指導に対する態度,共感性等を尋ねたウェブ調査を実施した。イメージ尺度と態度尺度をそれぞれ因子分析 (N=432) した結果,イメージ尺度は「冷静・公平」,「寛大さ」,「厳しさ」,「権威・一方的」の4因子,態度尺度は「受容」,「指導」,「自己開示」の3因子が抽出された。イメージ尺度と態度尺度や共感性尺度との相関関係のあり方から,イメージ尺度の4つの下位尺度には,それぞれ異なる特徴があることが示された。また,教師個人を単位とした場合における,イメージと態度の組み合わせの特徴を検討するために,イメージ尺度と態度尺度を用いてクラスター分析 (N=410) を行った。その結果,「権威・一方的」以外のイメージ尺度および態度尺度の下位尺度得点が相対的に高いという,父性原理と母性原理の両方を重視する群が見出された。さらに,この群の特徴として,共感性尺度のうち,「視点取得」と「共感的配慮」の得点が高いことが示された。したがって,父性原理と母性原理の両方を重視する教師は,非行少年の立場に立った指導を行うことが示唆された。</p>

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