アルファ化玄米が肥満モデルラットにおける血中コレステロール値に及ぼす影響  [in Japanese] Effect of Pregelatinized Brown Rice on Serum Cholesterol Levels in Obese Model Rats  [in Japanese]

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Abstract

近年,日本では食生活の欧米化および運動不足によって,内臓脂肪型肥満とそれによって引き起こされるメタボリックシンドロームの罹患者の増加が問題となっている。メタボリックシンドロームの最終的な症状として動脈硬化症がある。動脈硬化症は,血管壁にコレステロールが粥状に蓄積した結果,血管をふさぐことで起こる。したがって,高コレステロール血症は,メタボリックシンドロームや動脈硬化症のリスクファクターといえる。従来,食事性コレステロールの摂取量に注意が払われてきたが,日本人の食事摂取基準(2015年版)では,コレステロールの目標量が,科学的根拠に欠けることを理由に撤廃された。しかし,適正な血中コレステロール値の管理が重要であることには変わりなく,薬理学的な手法での改善が積極的に行われている。実際に,スタチン系の薬剤は,高コレステロール血症の治療薬として広く用いられている。しかし,スタチン系の薬剤は,血中コレステロール低下には劇的な効果を示す一方で,2型糖尿病のリスクを高めるという報告もある。このような薬剤による改善は,副作用の問題をはらんでいるだけでなく,医療経済上の圧迫要因となることから,コレステロール代謝を適正化する食品素材の探索が重要となっている。コメは,アジアを中心に世界の人口の約半数が主食としている重要な穀物である。日本でも,主食源としての地位はゆるぎないものの,近年の食生活の多様化によってコメの消費量が減少の一途をたどっている。そこで,コメの主食源以外の付加価値が模索されてきている。玄米は,未搗精のコメであり含有している糠成分にさまざまな生体調節機能があることが注目されている。これらの効果が,糠に含まれている食物繊維,植物ステロールやγ-オリザノール,γ-アミノ酪酸(GABA),ビタミンEなどの作用であると報告されている。熱風乾燥アルファ化(以下α化)米は,米飯から急速に水を熱風で取り除き,水分を15%以下にした米飯加工米である。その保存性や利便性の高さなどから学校給食,備蓄米そして病院食などに利用されている。従来,α化米は,白米を中心に生産されてきたものの,近年では玄米についても生産されはじめ,単なる主食源だけでなく,生体調節機能も含めて期待されている。もしα化玄米に生体調節機能とくにコレステロールの代謝改善機能があることを明らかにできれば,α化玄米のみならずコメの消費量の向上に寄与するものと考えられる。しかしながら,α化玄米のコレステロール代謝改善効果に関する研究報告は,ほとんどなされていないのが実情である。一方,玄米の機能性に関する動物実験は,数多く行われているが,抽出成分を用いた報告は多いのに対し,玄米本体を用いた検討については少ない。それに加えて,玄米本体を用いる動物実験にしても,玄米の炊飯やα化などの加工に関しては考慮されておらず,統一的な評価がなされていない。本報告では,私たちの食生活に即した玄米であるα化玄米が,肥満における体内の高コレステロール状態に対して改善効果を有するのかどうかを明らかにする目的で,肥満モデル(Zucker Fatty)ラットを用いた検討を行った。

Journal

  • 日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science

    日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science 42(1), 3-8, 2016-01

    日本食品保蔵科学会

Keywords

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    40020763809
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AA11178236
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    journal article
  • ISSN
    1344-1213
  • NDL Article ID
    027192053
  • NDL Call No.
    Z18-1101
  • Data Source
    NDL  JASI 
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