Impact assessment is manners in sustainable society : Considering from the problem of the new national stadium plan of Japan

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  • 環境アセスメントは持続可能な社会の作法 : 新国立競技場計画の問題から考える
  • カンキョウ アセスメント ワ ジゾク カノウ ナ シャカイ ノ サホウ : シン コクリツ キョウギジョウ ケイカク ノ モンダイ カラ カンガエル

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Abstract

環境研究,公害研究は優れて問題解決志向である。社会工学も然り,社会問題の解決のために工学的なアプローチを取るものである。筆者は社会工学分野で,環境計画・政策研究者の一人として参加と合意形成研究を行ってきたが,インパクト・アセスメント(IA)は,持続可能な社会づくりへの重要な手段であると考えている。計画や政策の検討においては,国民が広く参加できるよう透明性の高い形で計画や政策の選択が求められ,IAはそれを支援するものである。環境アセスメントはIAのひとつで,人間活動を環境と調和させるよう管理するために事業者の自主的な環境配慮を促進させる社会的な仕組みである。事業者が意思決定の前に環境配慮の方策を公表するが,人々が納得するためには,その方策が合理的で公正なものでなければならない。2015年の初夏以来,国民の注目を浴びた新国立競技場計画の問題は,公共施設の計画プロセスの問題と共に,我々に持続可能性とアセスの問題を考えさせた。神宮外苑地区の環境と調和しない巨大な施設で,しかも,従来の五輪競技場の5~8倍という巨費をかけるという計画は,このままでは危ういと多くの国民が感じた。だが,新国立競技場の計画プロセスの透明性は見直し後も低いままである。情報公開と参加が遅れている日本では,不透明な公共意思決定の問題が生じうるが,本事例でもそのことが現われた。日本社会における,この不透明な意思決定構造をどう変えてゆくか。情報公開と参加の促進が必要だが,環境アセスメントがそのツールとなりうる。人々の懸念する事項(public concerns)に答える仕組みとして,米国のNEPAアセスのように,簡易アセスメントの導入が必要である。そして,その中身は,自然環境面だけでなく社会環境面まで含み,さらに,経済面も含む幅広い持続可能性を考えるものでなければならない。持続可能性の観点から人間活動を管理する,総合的なアセスメントは,持続可能な社会における作法となる。

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