児童の「小数×小数, 小数÷小数」に関する方略の発達

書誌事項

タイトル別名
  • The Development of Students' Strategies about “The Decimal Multiplied by The Decimal, The Decimal Divided by The Decimal”
  • ジドウ ノ 「 ショウスウ × ショウスウ,ショウスウ ÷ ショウスウ 」 ニ カンスル ホウリャク ノ ハッタツ

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抄録

本研究は, 以前に開発し, 提案した児童の「小数×小数, 小数÷小数」の学習理解度尺度を使用し,各水準及び各段階に属する児童がどのような方略を使用するのか, また, それぞれの方略は, どのように発達するのかを明らかにすることを目的とする。そのため, 問題 1 に属する「小数乗法に関する問題群」(12 題)を記号 X で表し, 問題群 X に解答した児童 177 名, 問題 2 に属する「小数除法の単位量に対する異種の量に関する問題群」(11 題)を記号 Y で表し, 問題群 Y に解答した児童 185 名, 問題 3 に属する「小数除法の単位量に対応する同種の量に関する問題群」(13 題)を記号 Z で表し, 問題群 Z に解答した児童 187 名を分析の対象とすることにした。分析の結果, 次のような事柄が明らかになった。(1)問題群 X に解答した児童の得点の平均値に関して, 有意水準5%で, 第6学年の方が第5学年より高か った。これは, 用いた方略による。しかし, 問題群 Y に解答した児童の得点の平均値・問題群 Z に解答した児童の得点の平均値に関して, 第5学年と第6学年間において, 差がなかった。(2)児童は,「問題群 X→問題群 Z →問題群 Y」の順に, 問題場面が分かりやすいことが分かった。

収録刊行物

  • 数学教育学会誌

    数学教育学会誌 56 (3-4), 147-159, 2015

    一般社団法人 数学教育学会

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