19世紀初頭の西アフリカにおける不信仰者の分類と奴隷化:

  • 苅谷 康太
    東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

書誌事項

タイトル別名
  • The Classification and Enslavement of Unbelievers in Early Nineteenth-Century West Africa:
  • 19世紀初頭の西アフリカにおける不信仰者の分類と奴隷化 : ウスマーン・ブン・ワーディーの著作の分析から
  • 19セイキ ショトウ ノ ニシアフリカ ニ オケル フシンコウシャ ノ ブンルイ ト ドレイカ : ウスマーン ・ ブン ・ ワーディー ノ チョサク ノ ブンセキ カラ
  • ウスマーン・ブン・フーディーの著作の分析から
  • An Analysis of ‘Uthmān bn Fūdī's Works

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抄録

19世紀初頭,現在のナイジェリア北部一帯に相当するハウサランドにおいて大規模な軍事ジハードが開始された。このジハードは,数年のうちに次々と同地のハウサ諸王権を圧倒し,一般にソコト・カリフ国と呼ばれる,イスラームを統治の基盤に据えた国家の建設を実現した。ジハードと国家建設の中心にいたイスラーム知識人ウスマーン・ブン・フーディー(1817年歿)は,複数の著作の中で,ハウサランドもしくはスーダーンに住む人々を信仰の様態に基づいて分類し,更に,その分類において不信仰者と見做した人々の捕虜・奴隷化に関する規定を論じている。本稿では,国家の基盤建設期にあたる1808年以降のウスマーンが,ウラマーの多くが認めていない法学的見解に依拠することを容認する「寛容の思想」を導入し,上述の信仰の様態に基づく人間の分類を操作することによって,捕虜・奴隷化し得る不信仰者の範疇を如何に拡大したのかを明らかにし,更に,その背景に如何なる理由が存在したのかを考察する。

収録刊行物

参考文献 (1)*注記

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