書物という世界

書誌事項

タイトル別名
  • The Book as a World: Seeing Izumi Kyoka's <i>Nihonbashi</i> through the Book Design of Komura Settai
  • 書物という世界 : 小村雪岱の装幀から泉鏡花『日本橋』を見る
  • ショモツ ト イウ セカイ : ショウソン セツタイ ノ ソウテイ カラ イズミ キョウカ 『 ニホンバシ 』 オ ミル
  • ――小村雪岱の装幀から泉鏡花『日本橋』を見る――

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抄録

<p>泉鏡花『日本橋』は書き下ろしのかたちで大正三年九月に刊行されたが、その装幀を担当したのは日本画家・小村雪岱である。本論の目的は小説、装幀の分析を通し『日本橋』の書物としての意義を考えることにある。鏡花による小説「日本橋」は女たちが重なり合うことによって展開する作品であるが、そこには女たちの「情」への意志があった。雪岱による見返し、表紙・裏表紙は一見すると自律したものとして成立している。しかし小説と照らしあわせてゆくことで、雪岱が特定の場面を描くことを避け、物語が持つ論理そのものの風景を描いていることがわかる。書物史に名を残す鏡花・雪岱の『日本橋』は、作品の論理及び時空を、見事に書物というモノとして体現してみせたのである。</p>

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