小浜湾における一次生産過程の時空間変化

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タイトル別名
  • Temporal and spatial variation in primary production in Obama Bay
  • オバマワン ニ オケル イチジ セイサン カテイ ノ ジクウカン ヘンカ

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抄録

小浜湾には,河川水だけでなく地下水からも栄養塩が供給されている。しかしながら,これらの陸水流入に対する湾内の植物プランクトンの応答は明らかになっていない。本研究では,クロロフィルa(Chl-a)濃度を実測するとともに,一次生産力ポテンシャル(PP)を温度・光・栄養塩濃度の関数として算出することで,陸水流入に対する一次生産過程の応答の時空間変化を評価した。河川流量が増大する11-2月にかけては,Chl-a濃度およびPPは表層付近で高かった。一方,3-10月にかけては,表層の栄養塩が枯渇しており,Chl-a濃度およびPPは底層付近で高かった。特に5月は,湾中央部底層でChl-a濃度が著しく高くなっていた。この底層Chl-a極大は小浜平野の地下水が流出すると予想される場所に形成されており,また,6月にはこの付近の底層において低塩分水が観測された。雪解けに起因する地下水流出量の増大が5月に植物プランクトンブルームを引き起こしたと推察された。

収録刊行物

  • 水産海洋研究

    水産海洋研究 80 (4), 269-282, 2016-11

    東京 : 水産海洋学会

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