精神障害者の家族政策に関する一考察 : 保護者制度の変遷を手がかりに

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  • セイシン ショウガイシャ ノ カゾク セイサク ニ カンスル イチ コウサツ : ホゴシャ セイド ノ ヘンセン オ テガカリ ニ
  • A Study on Family Policy of Mentally Disabled-Focusing on the transition of guardianship system

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Abstract

本稿の目的は、精神障害者対策を図るうえで、家族がどのように位置づけられてきたのか。保護者制度の源泉も辿りつつ、今日までの歴史的経緯を明らかにし、精神障害者家族に対する制度上の課題を言及していくことである。研究の結果、江戸時代後期には、「精神病者監護法」の私宅監置や家族の個別責任化という処遇や思想の原形が明文化・制度化されていた。そして、明治後期以降の精神障害者家族は、治安対策上、無償で機能する法の執行者として、さらには疾病管理から日常生活支援に至るまでのケアラーとして位置づけられ続けた。2013年の精神保健福祉法改正で「保護者制度」は廃止されたものの、医療保護入院の契約者は「保護者」が「家族」に変更されたに過ぎず、実態はこれまでと変わっていない。今後の精神障害者対策は、家族介護を前提としない「脱家族」の制度設計を目指し、家族介護に代わる公共的支援を量的にも質的にも拡充していく必要があることを指摘した。

保護(義務)者制度

精神障害者家族

残余的福祉モデル

脱家族

家族介護

identifier:FC001400008734

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