温室環境における画像処理を用いたコナジラミ体の検出

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タイトル別名
  • Detection of whitefly bodies using image processing in greenhouse environment

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抄録

本研究の目的は,温室環境における画像処理を用いたコナジラミ体の検出に基づく,コナジラミ類の発生早期検知の実現である。コナジラミはトマト黄化葉巻病などの植物病を媒介する非常に小さな農業害虫の一種である。コナジラミは,その大きさから,人間の手による早期発見が難しい。また,その爆発的な繁殖力から,発生が確認された際には既に繁殖を繰り返してしまっており,農作物への被害が拡大するまで発生に気がつくことができないという大きな問題点がある。仮に,連続的かつ長期的に温室内のコナジラミの発生を監視し,発生を検知して温室の管理者に警告するようなシステムが実現されれば,温室の管理者は,コナジラミによる植物病の被害が拡大する前に農薬の散布などの対策を打つことが出来る。そのためには,農場内のコナジラミの発生を検知するシステムが必要となる。本研究では,カメラとイメージプロセッサを用いたコナジラミ早期検知システムを提案する。映像からのコナジラミ検出処理には,最適化された空間周波数フィルタ,二値化,テンプレートマッチングを用いた。実際に撮影した葉の上のコナジラミの映像を用いてコナジラミ体検出実験を行った結果,検出率は90.6%,未検出率は2%となった。この結果から,提案手法を用いた映像からのコナジラミ体の検出は効果的であることが示された。

収録刊行物

  • 農業施設

    農業施設 48 (3), 18-25, 2017-09

    つくば : 農業施設学会

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