東北タイ農村部におけるキノコ生産の概況とその収益性 : コンケン県ノンコイ村のキノコ農家を事例に

書誌事項

タイトル別名
  • Situation and profitability of mushroom production in northeastern Thailand : A case study in Nong Koy village, Khon Kaen province
  • トウホク タイ ノウソンブ ニ オケル キノコ セイサン ノ ガイキョウ ト ソノ シュウエキセイ : コンケン ケン ノンコイムラ ノ キノコ ノウカ オ ジレイ ニ

この論文をさがす

抄録

本稿は,東北タイ・コンケン県のノンコイ村においてキノコを栽培している農家を事例に,キノコ生産が持つ収入源としての有用性について考察することを目的としている。ノンコイ村にてキノコを生産している農家全3戸の内,1戸は種菌や菌床を自家生産,他の2戸はそこから菌床を購入し,3戸ともキノコを雨季・乾季問わず年間通じて生産している。対象農家のキノコ生産について費用便益比(BCR)を用いて収益性を分析した結果,菌床を購入した場合は天水稲作と同等の,自給した場合は他の商品作物と同程度かそれ以上の収益性であることが示唆された。生産規模の拡大に伴う家族労働報酬の推移についての試算では,一定の規模を超えると菌床自給時の方が購入時より高い報酬を見込めるという結果が得られた。しかし,菌床の生産には専用の機器が必要となるため高額な設備投資が参入時の障壁となる可能性がある。以上の結果から,東北タイにおいてキノコ生産は農家にとっての通年的かつ追加的な収入源になり得ると考えられる。

収録刊行物

  • 開発学研究

    開発学研究 29 (2), 44-51, 2018-12

    藤沢 : 日本国際地域開発学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ