Cattle Sharing of Farmers under a Rise in Beef Price : The Case of the Malang District in Indonesia

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  • Cattle Sharing of Farmers under a Rise in Beef Price
  • - The Case of the Malang District in Indonesia -

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抄録

<p>本稿は牛肉価格の高騰下において農業者が抱える素牛購入の問題を明らかにし,その戦略として農業者が行う肉牛の共有システムの特徴を示すことが目的である.分析にはインドネシア・マラン県にて実施した深層面接によって得られた定性データを用いた.マラン県は東ジャワ州において5指に入る肉牛生産県であり,2012-13年に大幅に頭数を減少させたあと,2013-15年間に最も頭数を回復させた地域である.素牛価格の高騰により,とりわけ,小規模な家畜農家による新たな素牛購入に困難をきたしたが,面接を行った多くの農業者が肉牛の共有を行っていた.マラン県における肉牛の共有の特徴は,1)文書による契約が行われず,牛肉の価格高騰下において柔軟に合意が図られたこと,2)肉牛の共有は多くの場合,近隣住民もしくは親戚間で行われ,外部の投資家の参加を制限するが,両者は互いに技術水準を理解しており,円滑な契約につながったこと,3)肉牛所有者が飼養・管理を決定するケースと肉牛飼養者がそれを決定するケースがあったこと,である.肉牛の共有システムの普及を通して肉牛生産を拡大するには,農業者に対する技術支援や金融支援が求められることが明らかになった.</p>

収録刊行物

  • 農村経済研究

    農村経済研究 36 (2), 21-30, 2019-02-01

    東北農業経済学会

参考文献 (2)*注記

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