社会福祉サービスにおける多元化と市民セクターの役割

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  • シャカイ フクシ サービス ニ オケル タゲンカ ト シミン セクター ノ ヤクワリ
  • A Study of Diversification on Social Welfare Service Providers : A Focus on the Roles of the Third Sector and the Civil Sector

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Abstract

本稿は、福祉国家の正当性や効率性といった危機が指摘される中、後期近代論において選択され始めた地域を基盤とする社会福祉サービスの生産や供給の多元化の実態に照らし、新たな市民社会論のもとセクターがサービス供給体として一体どのような役割をもちえるのか、検証することを目的としている。 1998年の特定非営利活動促進法の施行から20年が経過し、この間公益法人制度改革による新たな非営利法人制度の導入や社福祉法人改革など、セクターをめぐる状況と環境はめまぐるしく変化していることからも、各事業体やセクターの実態把握とともにそれらの社会的機能についての理論的整理が問われている。 従来市民セクターの機能とは、非営利性という基本原則以外に、ボランタリー組織としての活動が何らかの社会的使命と結びつきその意義を見出すことができるかといった価値や規範的目的の追求と重なるものとしてとらえられてきた。セクターの果たすべき役割を明らかにすることや、時代を読み解き、めざすべき市民社会を構想することと活動は深く関係する。しかし多種多様なセクターを市場や政府とは別の独立した第三の極として一義的に位置づけることは必ずしも妥当ではない。それは社会福祉サービスの供給体としての事業所の実態をみても、行政との関係からみても明らかである。しかしそうであったとしても社会的排除や分断といった国際的にも地域の中でも深刻な問題に対し、社会的存在であるセクターの可能性をどこにみることができるのか、組織の同質化ではなく多様な組織形態が、いかなる価値や規範に基づき行動するかという制度ロジックによる枠組みに着目をした。 同時にこうした問題意識に立ち作業をすすめていくことは、ソーシャルワークを含む社会福祉方法論研究のなかに市民セクターを位置づけつつ、政策論以外の分析の枠組みを示していく上でも有効なものとなるであろう。

市民セクター

サービスの生産と供給の多元化

制度ロジック

identifier:FO001500009257

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