島根県の有機栽培ほ場における土壌養分の実態

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  • Measured soil nutrients in organic cultivation greenhouses and fields in Shimane Prefecture
  • シマネケン ノ ユウキ サイバイ ホジョウ ニ オケル ドジョウ ヨウブン ノ ジッタイ

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抄録

有機栽培では,家畜ふん堆肥や有機質肥料が継続的に利用されることが多く,土壌養分の蓄積や塩基バランスの悪化が懸念される。そこで,島根県内全域を対象に施設及び露地の有機栽培ほ場(無化学肥料栽培を含む)において土壌化学性の実態調査を行った。1. 有機栽培ほ場における土壌化学性を栽培様式の違いで比較すると,いずれの項目とも施設が露地よりも高い傾向を示した。これは堆肥の施用量が多いことや葉菜類の周年栽培のため施肥回数が多いことが原因であると考えられた。2. 島根県の土壌診断基準値と比較すると,施設では,有効態リン酸や交換性塩基が過剰であるほ場が6割から9割を占めた。露地は施設と比べてその割合は少なかったが,一部のほ場では施設と同様に過剰であった。3. 栽培年数の経過が土壌養分状態に与える影響について栽培継続年数5年以下と6年以上を比べると,施設土壌の有効態リン酸,交換性カルシウム及び交換性マグネシウムは6年以上の方が多く,継続年数が長いほど土壌中に蓄積する傾向があった。

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