離婚と家事労働――離別者の親同居の効果に着目して――

  • 柳下 実
    首都大学東京大学院人文科学研究科博士後期課程・日本学術振興会
  • 不破 麻紀子
    首都大学東京大学院人文科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Divorce and Household Labor: Focusing on the Effect of Intergenerational Co-residence
  • リコン ト カジ ロウドウ : リベツシャ ノ シン ドウキョ ノ コウカ ニ チャクモク シテ

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抄録

<p>近年,日本社会でも有配偶離婚率が高まっている.離別が家事労働に与える影響を検討した欧米の先行研究では,離別は男性の家事を増やし,女性の家事を減らすことが示されている.しかし,日本では欧米諸国に比べ離別者の実親同居率が高いため,離別の効果の検証には親同居の影響を考慮する必要がある.本稿は働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査を用いて,離別が男女の家事にどのような影響を与えるのか,また離別者の家事は親と同居することによってどのように変化しているのかを固定効果モデルで検討した.結果から,離別によって男性は家事を増やし,女性は家事を減らすことが示された.また,親同居による家事の削減効果は既婚者より離別者の方が大きいことも示された.離別者は稼得役割と家事労働を一人で担わなければならず役割過重が生じやすいが,親と同居できるか否かで家事労働の負担には格差が生じていることが示唆された.</p>

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