宮崎県内栄養士設置施設の実態調査に基づく栄養教育環境の現状

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  • ミヤザキ ケンナイ エイヨウシ セッチ シセツ ノ ジッタイ チョウサ ニ モトズク エイヨウ キョウイク カンキョウ ノ ゲンジョウ

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抄録

管理栄養士の専門業務として行われる「栄養教育」の環境に焦点をあて,実態の一端を観察したので報告する。平成29年度に宮崎県内に勤務する栄養士・管理栄養士を対象に「栄養相談室設置状況調査」を無記名自記式質問紙法により実施した。栄養相談室有無による「栄養教育」の実施状況,業務満足度の比較にはX2検定を用い,有意水準両側5%とした。回答者83人(男性6人,女性77人)の主な勤務先は医療機関(66.3%),福祉施設(13.3%),行政(12.0%),専門業務のうち給食管理業務をほぼ毎日担当しているのは約6割,栄養相談業務をほぼ毎日もしくは定期的に担当しているのは約5割,不定期も合わせると9割であった。専用相談室があるのは約2割,教材類ではパンフレット類が最も多かった。栄養相談業務に満足していない者は4割を超え,その理由として約7割が「自分自身の知識・技術不足」であった。回答者の9割は専用の場所がない環境で「栄養教育」という専門業務を行っており,4割が「専用の栄養相談室が欲しい」と回答した。また,専用の相談室有りは無しに比べ,栄養相談業務を担当している割合が有意に高く(p=0.014),業務満足度が高い傾向がみられた(p=0.065)。栄養教育環境の現状の一端が明らかになり,専門業務遂行のための環境づくりの重要性が示唆された。

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