NaVチャネル全史

書誌事項

タイトル別名
  • A brief history of the NaV channel
  • Na[v]チャネル全史 : 細菌からヒトまで
  • Na[v]チャネル ゼン シ : サイキン カラ ヒト マデ
  • 細菌からヒトまで

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抄録

生物は細胞内のNa+濃度を,細胞外の環境に対して約10倍低く維持している.細胞はこのNa+勾配を利用し,ときに活動電位の形をとった電気シグナルを生む.膜電位依存性Na+チャネル(NaVチャネル)を構成するタンパク質ファミリーは,活動電位の生成に本質的な役割を果たす.NaVチャネルは最初にイカで存在が予想され,後に電気ウナギでアミノ酸配列が決定された.以来,NaVチャネルは細菌からヒトにわたる多くの生物で見いだされてきた.近年の研究により,非常に広範なNaVチャネルのアミノ酸配列が読み解かれ,またいくつかの三次元立体構造が解かれた.これらの研究は,生物の進化に沿って起こったNaVチャネルの構造と機能の変遷過程を明らかにした.本稿は,現在のNaVを成立させた分子進化学上のイノベーションを概説する.

収録刊行物

  • 生化学

    生化学 91 (2), 210-223, 2019-04-25

    公益社団法人日本生化学会

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