長野県の地質情報を市民共有の財産にするために : 3つの課題と実践から

書誌事項

タイトル別名
  • Improvement of geological information literacy in Nagano Prefecture : Three problems and practicing studies
  • ナガノケン ノ チシツ ジョウホウ オ シミン キョウユウ ノ ザイサン ニ スル タメニ : 3ツ ノ カダイ ト ジッセン カラ

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抄録

長野県の地質情報を市民が知的財産として共有し,それを市民自らの力で暮らしに生かせるように,情報普及のための取り組みモデルを可視化した。それは複数の組織と多くの人材との連携により「基礎情報整備」と「情報の受け手の意識把握」と「発信のための情報デザイン」の3課題を一体的にすすめる取り組みである。可視化のための実践は「県版デジタル地質図整備」に「学校教育における意識調査」と「学習プログラムの開発」を連結し,教育分野における地質情報の活用に適用した。県内全ての高校を対象に実施したアンケート調査では,地学教育の必要性が理解されながら,「地学」を学ぶ機会を確保しづらい現状と,人材と教材が不足している実情を把握した。また親子向けに身近な河原の石ころと地質図を組み合わせた学習プログラムを試行し,科学的な基礎情報を市民に伝えるための要点をまとめた。本研究は,市民の情報リテラシーの向上には,自治体研究機関や大学,学校教育現場などによる柔軟な相互連携が大きな力になりうることを実証するものである。

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