有機質肥料の施用及びそれを用いた減肥がニホンナシの樹体生育,収量,果実品質及び土壌化学性に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects on tree growth, yield, fruit quality and soil chemistry of Japanese pear in spreading organic fertilizer or reducing the same
  • ユウキシツ ヒリョウ ノ シヨウ オヨビ ソレ オ モチイタ ゲンヒ ガ ニホンナシ ノ ジュタイ セイイク,シュウリョウ,カジツ ヒンシツ オヨビ ドジョウ カガクセイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

ニホンナシ栽培では,高樹齢化による生産量低下の回復などに対処するため,肥料及び堆肥の過剰施用が行われている。このことは生産コストを高めるだけでなく,環境負荷の増大や発芽不良の発生が助長されるため,生産者に減肥を促していく必要がある。本報告は,緩効的な養分供給が期待される有機質肥料を主体とした施用やそれを用いた減肥を13年間継続して行い,樹体生育,収量,果実品質及び土壌化学性を調査し,ナシ栽培に及ぼす影響について検証した。1.有機質肥料の施肥を連用すると,化学肥料を主体とする肥料を連用した区と比べ,新梢の生育が優れたが,収量や果実品質には違いがなかった。2.有機質肥料の施肥量を半減させた場合,慣行の施肥量と比べ,新梢生育や収量,果実品質に違いがなかった。処理9~10年目にかけて樹が白紋羽病で枯死したが,跡地土壌の化学性の数値には問題がなかった。3.処理終了時の土壌中の交換性カルシウム及び交換性マグネシウムは,全ての処理区で千葉県が定める診断基準の2~3倍と過剰な状態であった。この問題を回避するには,堆肥を含めて的確な施肥設計を行うことが必須条件である。

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