高病原性鳥インフルエンザ発生養鶏場における鶏の再導入までの取組

書誌事項

タイトル別名
  • Resuming farm operations after a highly pathogenic avian influenza outbreak
  • 業績ノート 高病原性鳥インフルエンザ発生養鶏場における鶏の再導入までの取組
  • ギョウセキ ノート コウビョウゲンセイドリ インフルエンザ ハッセイ ヨウケイジョウ ニ オケル ニワトリ ノ サイドウニュウ マデ ノ トリクミ

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抄録

2016年11月29日,採卵鶏養鶏場で新潟県内初の高病原性鳥インフルエンザが発生した。飼養羽数は約315,000羽,鶏舎数は高床式が6棟,低床式が18棟(うち10棟空舎)の計24棟であった。飼養鶏はすべて殺処分後,卵・飼料とともに埋却した。堆肥・鶏糞は消石灰散布後にブルーシートで被覆し封じ込めを行い,発生後6日に防疫措置が完了した。鶏の再導入に向け,「養鶏場の清浄性確認」と「再発防止対策の徹底」を条件に検査・指導を実施した。鶏糞および堆肥は1カ月間静置し,防疫措置完了後21日~42日に計500検体を採材しウイルス分離検査を実施,陰性を確認した。その後,鶏糞の搬出と鶏舎の清掃・消毒・修繕を実施,防疫措置完了後156日および163日に全鶏舎24棟の床,壁,天井など計625カ所についてウイルス分離陰性を確認し,175日後に全鶏舎にモニター鶏を計520羽導入した。導入後14日に抗体検査およびウイルス分離検査を実施し,すべて陰性を確認した。再発防止対策として,野生動物の侵入防止のための金網の張り替えや隙間をふさぐなどの鶏舎の修繕,野鳥の飛来が確認された近隣の調整池の水抜きを実施した。加えて,これまで文書化されていなかった養鶏場衛生管理マニュアルの作成を指導し,従業員を対象に日常の飼養衛生管理および防疫対策について研修会を開催した。全鶏舎の野生動物侵入防止対策について最終確認を行った後,2017年6月末に成鶏約25,000羽を導入,経営再開となった。その後も家畜保健衛生所および関係機関による定期巡回を継続実施した。

収録刊行物

  • 鶏病研究会報

    鶏病研究会報 55 (3), 101-104, 2019-11

    つくば : 鶏病研究会

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