内陸地で発症したシガテラ魚類食中毒の 1 例

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タイトル別名
  • 症例報告 内陸地で発症したシガテラ魚類食中毒の1例
  • ショウレイ ホウコク ナイリクチ デ ハッショウ シタ シガテラギョルイ ショクチュウドク ノ 1レイ

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抄録

症例は 34 歳の女性。手足のしびれ,皮膚掻痒感,眼前暗黒感,嘔気,食欲低下,口腔内の異常感覚で内陸県の総合病院である当院総合診療科を受診し,経過観察目的に X 日入院となる。問診で X - 4 日に石垣島で購入した魚を喫食したことが判明した。本症例では殆ど筋肉が食べつくされており,骨や皮の残りを沖縄環境衛生研究所に送付し,液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(liquid chromatography tandem mass spectrometry:LC-MS/MS 法)によりシガテラ毒素(ciguatera fish toxins:CTXs)が検出され,シガテラ魚類食中毒(ci- guatera fish poisoning, 以下 CFP)の確定診断に至った。症状は対症療法で改善傾向となり,入院 3 日目に退院とした。CFPは熱帯・亜熱帯の海産魚類による食中毒でCTXsにより引き起こされる。消化器症状,循環器症状,温度感覚異常,掻痒,筋肉痛,関節痛など様々な症状を呈するが,中でもドライアイスセンセーションが特徴的である。CFPは本邦では殆どが沖縄県からの報告だが,本症例のように南海魚を持ち込むことで内陸でも発症し得る。

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