下部消化管内視鏡検査を契機にたこつぼ型心筋症に陥った神経性食思不振症の 1 例

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  • 症例報告 下部消化管内視鏡検査を契機にたこつぼ型心筋症に陥った神経性食思不振症の1例
  • ショウレイ ホウコク カブ ショウカカン ナイシキョウ ケンサ オ ケイキ ニ タコツボカタ シンキンショウ ニ オチイッタ シンケイセイショクシフシンショウ ノ 1レイ

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抄録

体重減少を理由に 42 歳女性が当科外来を初診した。BMI 12.0 の著明なやせを認め,神経性食思不振症を強く疑った。精査目的に入院とし,除外診断のため下部消化管内視鏡検査を行ったがその夜より低血糖,低血圧を来し,たこつぼ型心筋症を発症した。たこつぼ型心筋症は様々なストレス因子により発症すると考えられているが,一般的に閉経後の女性に多い。これは女性ホルモンに心血管保護作用があり,閉経後はエストロゲンが低下するためと考えられている。本症例においては低血糖によるストレスが契機と考えるが,神経性食思不振症によるエストロゲンの枯渇もあったため,比較的若年でも発症したものと考えられた。神経性食思不振症は診断の際に器質的疾患,特に炎症性腸疾患や悪性疾患の除外を求められる。しかし,BMI 低値例に下部消化管内視鏡を施行したところ,低血糖を認める事が多いとの報告もあるため,適応は慎重に考える必要がある。

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