情報開示と「フィードバック効果」によるリアルな意思決定への影響分析―会計分野における「リアルな影響の観点」との比較から―

書誌事項

タイトル別名
  • A Note on Disclosing Information and the Impacts on Real Efficiency via the“ Feedback Effects”
  • ジョウホウ カイジ ト 「 フィードバック コウカ 」 ニ ヨル リアル ナ イシ ケッテイ エ ノ エイキョウ ブンセキ : カイケイ ブンヤ ニ オケル 「 リアル ナ エイキョウ ノ カンテン 」 ト ノ ヒカク カラ

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抄録

本稿の目的は、会計開示が企業の生産/ 投資というリアルな意思決定に影響を与えるとする会計分野における「リアルな影響」文献と類似した問題意識、つまり、流通金融市場における価格(株価)が企業を始めとするリアルな意思決定に影響を与えるとするファイナンス分野の「フィードバック効果」文献を概観し、「リアルな影響」文献と対比することによって、「フィードバック効果」モデルが主張するリアルな影響プロセスの特徴を見出すことである。 「リアルな影響」モデルが開示される情報内容(会計情報内容)の特定化/ 具体化に主眼を置くのに対して、「フィードバック効果」モデルの焦点は資本市場で利用可能な情報を反映して形成される均衡価格の導出に置かれる。その裏返しとして、「リアルな影響」モデルでは企業の価格づけが極めてシンプルな形で定式化されるに過ぎず、また「フィードバック効果」モデルにあっては情報がごく一般的な形で記述されるに過ぎない。 経済社会における会計シグナルと価格シグナルの働きを対比し比較するというわれわれなりの問題意識からは、これら2つのシグナルの関係性をより直接的に取り扱い、それぞれのシグナルの特徴ないし属性を把握するという観点から、可能な限り両モデルの長所をバランスよく維持し組み合わせた包括型/ 統合型の情報分析モデルが望まれる。

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