スギ花粉飛散と比較したヒノキ花粉飛散状況の検討

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  • Comparison of the Atmospheric Dispersion of Japanese Cypress and Japanese Cedar Pollen
  • スギ カフン ヒサン ト ヒカク シタ ヒノキ カフン ヒサン ジョウキョウ ノ ケントウ

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抄録

<p> われわれはこれまで主にスギ花粉飛散状況についてさまざまな検討を行ってきた. 以前からヒノキ花粉の飛散数増加が指摘されており, 今回, ヒノキ花粉の飛散状況も検討した. 1996~2017年までのヒノキ花粉の飛散状況をスギ花粉飛散状況と比較して検討した. 花粉の捕集は大分大学医学部研究棟屋上に設置したダーラム型捕集器を使用し, 1月1日より4月30日まで行った. ヒノキの総飛散数は95~7,098個/cm2 で, スギと異なり正規分布とならなかった. ヒノキとスギの総飛散数に有意な相関が認められた. 総飛散数はスギもヒノキも有意な増加傾向が見られた. 前年夏の気象と総飛散数の相関は, ヒノキが6~8月の3カ月間, スギが7月との相関が高くなった. 1月1日から飛散開始日, 本格飛散日, 最大飛散日までの日数はいずれもスギ花粉より平均で30~35日後であったが, 飛散開始日から最大飛散日までの期間はヒノキ花粉の方が有意に短期間であった. ヒノキの飛散数は増加傾向にあるが年ごとの変動が大であった. ヒノキの総飛散数の変動が大きいのは花粉の形成過程がスギ花粉と異なり, 長期間に及ぶことが影響していると考えた. スギ花粉に比べて飛散数が急速に増加することは花粉対策の留意点と考えられた.</p>

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