迅速前処理カートリッジを用いた環境水中有機汚染物質のターゲットスクリーニング法の開発(2)─LC/MS/MSへの応用─

DOI Web Site Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Target Screening Method of Organic Pollutants in Environmental Water by a Rapid Pretreatment Cartridge (2) —Application to LC/MS/MS—
  • 迅速前処理カートリッジを用いた環境水中有機汚染物質のターゲットスクリーニング法の開発(2)LC/MS/MSへの応用
  • ジンソク マエショリ カートリッジ オ モチイタ カンキョウ スイチュウ ユウキ オセン ブッシツ ノ ターゲットスクリーニングホウ ノ カイハツ(2)LC/MS/MS エ ノ オウヨウ

この論文をさがす

抄録

<p>LC/MS/MSを測定系とする迅速前処理カートリッジ(カートリッジ法)による有機汚染物質のターゲットスクリーニング法の開発を行った.抽出溶媒はアセトニトリルとし,塩析による分離・濃縮により前処理を実施した.河川水と海水による添加回収試験の結果,評価対象とした85物質のうち71物質(オクタノール水分配係数(Log Pow): −0.46〜8.20)の平均回収率が54〜132% となり,目標回収率(50〜150%)を達成することができた.目標回収率を満たさなかった14物質は親水性物質(Log Pow: −0.91〜3.18)であった.これらの物質についてはカートリッジ法を適用せず,試料水をフィルターでろ過したのちに内部標準物質を添加してLC/MS/MS測定を行った(直接注入法).その結果,すべての物質で回収率が73〜114% となり,目標回収率を満たした.さらに,直接注入法の適用範囲を確認するため,85物質による添加回収試験を行ったところ,Fluazinamなどの一部の疎水性物質(Log Pow: 2.58〜8.20)で回収率が50% 未満となり,低値を示した.その原因として,フィルターへの吸着によるロスが確認された.以上の結果から,カートリッジ法と直接注入法を併用することでLog Pow: −0.91〜8.20までの幅広い化学物質をスクリーニング分析できることが分かった.カートリッジ法は1検体あたり,10分程度で前処理を行うことができ,従来の固相抽出法に比べ,ハイスループットな分析を実現した.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 69 (3), 121-134, 2020-03-05

    公益社団法人 日本分析化学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ