家庭用冷蔵庫のチルドルームを用いた牛および豚ロース肉の熟成処理が一般生菌数,呈味成分濃度および食味性に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of aging treatment using the chilled room of a domestic refrigerator on the total number of bacteria, concentration of taste components, and palatability of meat
  • カテイヨウ レイゾウコ ノ チルドルーム オ モチイタ ウシ オヨビ ブタ ロースニク ノ ジュクセイ ショリ ガ イッパン セイキンスウ,テイミ セイブン ノウド オヨビ ショクミセイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

家庭用冷蔵庫のチルドルームを用いた食肉の熟成処理効果を評価するため,牛および豚ロース肉を冷蔵室(冷蔵区)および氷点以下の未凍結温度および0.8atmに設定したチルドルーム(チルド区)を用いて熟成処理を行い,熟成処理期間中の一般生菌数,総遊離アミノ酸,総ペプチド濃度,アミノペプチダーゼ活性の変化および官能評価による食味性を評価した。チルド区の一般生菌数の増殖速度は,冷蔵区と比較して,牛ロース肉では62.3%,豚ロース肉では55.0%の低下が確認された。牛ロース肉の総遊離アミノ酸増加速度は,冷蔵区と比較して,チルド区で低下した。この牛ロース肉の総遊離アミノ酸増加速度の抑制率は,一般生菌数の増殖速度の抑制率よりも低かった。一方,豚ロース肉の総遊離アミノ酸増加速度は,冷蔵区と比較して,チルド区で大きな変化はなかった。腐敗の指標の1つである一般生菌数が同等であった牛ロース肉の冷蔵区3日およびチルド区7日および豚ロース肉の冷蔵区4日およびチルド区7日について官能評価を実施した。その結果,牛および豚ロース肉ともにチルド区では冷蔵区と比較して,有意にうま味が強く感じられた。これらの結果より,氷点以下の未凍結温度および0.8atmに設定した家庭用冷蔵庫のチルドルームを用いた牛および豚ロース肉の7日間の熟成処理(チルド区)は,冷蔵室での3日または4日間の熟成処理(冷蔵区)よりも,うま味の向上が期待できると考えられた。

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