ネット右翼言説拡散の「回路」

  • 中谷 勇哉
    京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程

書誌事項

タイトル別名
  • A Process of the Spread of Discourse about “Netto uyoku”:
  • ネット右翼言説拡散の「回路」 : 「HINOMARU」をめぐる炎上の事例研究
  • ネット ウヨク ゲンセツ カクサン ノ 「 カイロ 」 : 「 HINOMARU 」 オ メグル エンジョウ ノ ジレイ ケンキュウ
  • A Case Study of Tweets About “HINOMARU”
  • -「HINOMARU」をめぐる炎上の事例研究-

この論文をさがす

抄録

<p>2000年代以降、ネット右翼と呼ばれるヘイトスピーカーの台頭に代表される意見の先鋭化現象とその言説の拡散はたびたび議論となっている。そこで、本稿は「右翼的言説の拡散メカニズムを推論すること」を目的とし、ツイートの表現に焦点を当てて分析した。そのために、楽曲「HINOMARU」をめぐって起こった炎上現象に関するツイートを収集し、分析を行った。その結果、1) 炎上が4つの段階に分けられ、その段階後半では、 2) 多く共有されたウェブサイトがオンラインニュースサイトからまとめサイトに移行していること、3) その移行とともに、自分自身について用いられる中立的な表現は減少し、批判する他者を「左翼」や「在日」とする表現が増加していったことが示された。またこの分析を踏まえ、右翼的言説の拡散が、「人々が個人的な意見・信念を批判から保護する過程でネット右翼言説と接続されていく」というメカニズムによって引き起こされていると捉える。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ