原質フローにおける設備オーディットについて

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タイトル別名
  • Process audit for Stock Preparation System
  • ゲンシツ フロー ニ オケル セツビ オーディット ニ ツイテ

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抄録

<p>原質工程の設備オーディットとは,原質工程の機器およびシステム全体の診断を行うサービスである。機器が複雑に構成される原質工程においては,問題の原因を特定することに多くの時間と労力が必要になる。オーディットでは3つのステップからなる手順を実施し,問題の原因を迅速に特定し,その改善方法を優先順位に応じて提案する。手順は①現状の確認②サンプル分析③プロセス診断となり,結果は標準化されたレポートによって報告される。このオーディットは国内外での実績がある。国内の事例として,オーディットを実施した結果を元に対策を講じたところ,問題となっていた処理量および粘着異物量が大幅に改善されたという結果が得られている。これはオーディットによる問題の特定が適切であったことを示している。オーディットの診断には弊社独自の原質工程に関するデータベースを利用しており,診断の結果が一般的な状態と比べてどのようなものであるかを判断できる。またシステム全体にとどまらず,単独の原質機器についても同様のオーディットを実施している。特に近年ではパルパ用ギアドライブの診断を多く実施している。老朽化したギアドライブは必要な交換部品の費用や納期が多くかかる。事前に機器オーディットを実施することで,問題が発生する前に必要な部品を手配し交換することが可能となる。このように原質の設備オーディットはシステムおよび機器の問題にとって非常に重要かつ効果的な対策であり,その需要は年々増加している。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 75 (4), 323-326, 2021

    紙パルプ技術協会

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