Netflixをメディア論する : 動画サブスクリプションをめぐる問題の所在

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タイトル別名
  • Netflix オ メディアロン スル : ドウガ サブスクリプション オ メグル モンダイ ノ ショザイ
  • Locating Netflix in Japan : Toward an Empirical Analysis to SVOD

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抄録

2010年代以降、世界的に定額制動画配信(SVOD)プラットフォームの利用者が増え続けている。日本でも様々なサービスが群雄割拠しながらその存在感を増している。こうした中で、場としての映画館と配給という流通の仕組み、装置としてのテレビ受像機と放送という流通の仕組みに依拠してきた映像文化のあり方は根底から変容している。本稿の目的は、定額制動画配信プラットフォームが登場することで、人びとと映像の関わり方がどのように変わり、そこにどのようなメディア研究的論点があるのかを確認することにある。その際に本稿では、定額制動画配信プラットフォームによって視聴に至るまでの人びとと映像の関わり方に変化が生じたという前提から、3つの論点を提示していく。(1)定額制動画配信プラットフォームは、通信環境や決済システムを通じてサービスを利用できる人とできない人を階層や地理に応じて構造化している。(2)個人の選択・操作履歴を経時的に収集し、独特なタグやアルゴリズムによって情報を処理することで、定額制動画配信プラットフォームは特定の選択を促す選択肢を生成している。(3)ライセンシングに基づいてコンテンツを提供する定額制動画配信プラットフォームはリストを定期的に入れ替えるため、独特なメディア経験の時間性が生じる。こうした点を踏まえて実証的な研究を重ねることが今後の課題となる。

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