成人期に診断を受けた自閉スペクトラム症者の自己効力感に関する基礎的研究

書誌事項

タイトル別名
  • Basic Study of Self-efficacy in Autism Spectrum Disorder Patients Diagnosed in Adulthood
  • セイジンキ ニ シンダン オ ウケタ ジヘイスペクトラムショウシャ ノ ジコ コウリョクカン ニ カンスル キソテキ ケンキュウ

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抄録

本研究では,成人期に初めて診断を受けた自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder;ASD)者の自己効力感に関する基礎的な知見を得ることを目的とし,自閉症特性およ び診断や生活状況に関する個人属性を取り上げ,男女の自己効力感の特徴の違いにも注目した検討 を行った.ASD の当事者 82 名(男性 36 名,女性 46 名)を対象に,質問紙調査を実施した.分析 の結果,協力者の自己効力感は男女ともに低い傾向にあることが示された.また,自己効力感と自 閉症特性との関連について,男性では自閉症傾向が強いほど自己効力感が低くなるという関係があ る一方で,女性ではそれが認められなかった.加えて,女性は就労状況,男性は婚姻関係の有無に ついて有意な群間差が認められた.今後は成人期の ASD 者の自己効力感の低下に関連する要因を 明らかにし,男女それぞれにより有効な支援や介入を検討していく必要がある.

収録刊行物

  • 発達障害研究

    発達障害研究 43 (1), 120-130, 2021-05-31

    日本発達障害学会

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