Size structure and spatial distribution of Castanea crenata and Quercus serrata trees in juvenile secondary hardwood stands in an experimental site for cutting by seed-tree method and lateral weeding of the reserved central part

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  • 広葉樹林筋残し刈り試験地におけるクリとコナラのサイズ構造と空間分布
  • コウヨウジュリンキン ノコシ カリ シケンチ ニ オケル クリ ト コナラ ノ サイズ コウゾウ ト クウカン ブンプ

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Abstract

本研究の目的は,広葉樹林筋残し刈り試験地におけるクリとコナラのサイズ構造と空間分布を明らかにすることである。3林分(P09,P08,P06)を対象に,樹高0.3 m未満を実生,樹高0.3 m以上1.2 m未満を小稚樹,樹高1.2 m以上3.0 m未満を大稚樹,樹高3.0 m以上を幼木として記録した。また,根元位置座標も測定した。クリ更新木は,P09では平坦地主体に分布したものの,P08とP06では斜面部あるいは斜面上部に多く分布した。P08とP06における分布特性は,生態的適地にクリ保残木があったことに由来すると考えられる。クリ更新木の多くは幼木であり,実生や小稚樹はわずかであった。本研究の調査林分では,主伐後に6~9年間,筋残し刈りが実施され,比較的明るい環境が確保されたことで,クリは他樹種に比べて成長旺盛であり,幼木まで順調に成長できたと考えられる。コナラ稚樹・幼木はP08で1074本/ha,P06で466本/haであり,2年前に調査したコナラ優勢木の幹数密度9~33本/haに比べると,多く生立していた。また,P09ではコナラ伐根の近隣にコナラ稚樹・幼木が集中していた。筋残し刈り試験地ではいずれの林分でも,主伐年またはその前年にコナラ種子がある程度の数量で散布され,コナラの種子散布制限はなかったと推察される。コナラ稚樹・幼木は,斜面部あるいは斜面上部に多く分布した。筋残し刈り試験地におけるコナラ稚樹・幼木の分布特性は,生態的適地にコナラ保残木(あるいは主伐された母樹)があったことに由来すると考えられる。更新木の同種保残木までの最短水平距離を応答変数とする階層ベイズモデルから,コナラ更新木はクリよりも保残木(または伐根)に近いところに多く分布した。コナラ更新木の多くは実生と小稚樹であり,P08を除いて大稚樹や幼木はわずかであった。筋残し刈りが毎年実施されたとしても,コナラ稚樹は雑草木と競合し続けるため,結果としてコナラ稚樹の樹高成長はクリなどの主要な高木性広葉樹のそれに比べて悪くなると推察される。このことから,筋残し刈りを6年以上実施するだけでは,コナラを優占させることは困難と考えられる。コナラの局所的な優占を目指すのであれば,筋残し刈りに加えて,コナラ実生・稚樹の多い斜面部(斜面上部)で筋刈りあるいは坪刈りを年2回,3年以上継続しておこなうべきであろう。また,刈り出しの期間を過ぎた後も,引き続き除伐が必要不可欠と考えられる。

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