「本当の難民」とは誰か : 学生による「難民」の定義から

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  • 「 ホントウ ノ ナンミン 」 トワ ダレ カ : ガクセイ ニ ヨル 「 ナンミン 」 ノ テイギ カラ

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[要旨] 本稿は、「難民」という定義やカテゴライズによってネガティブにステレオタイプ化された人々が、実際には一人ひとり違う人間であることへの理解と想像力を働かせてもらうこと、ステレオタイプ化した日本の難民問題を捉えなおすことに焦点をあてて実施した講義と学生の反応を記したものである。法的地位としての難民、歴史的、政治的、社会的な属性の位置づけとしての難民、個々人の経験としての難民は、それぞれ別の位相で存在しつつ相互に関連しあっている。そのイメージのズレが生じる場所に問題が生起し得ることへの理解を促した。そのうえで、ステレオタイプやスティグマの生成過程への理解と、カテゴリー内部に生きる個々人への着目を促すことによって、学生の「難民」の描写が豊かになることがわかった。学生ひとりひとりが、「難民」や「難民問題」の多様な解釈を可能とする枠組みを増やせるような教育的サポートが必要である。

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