石油系炭化水素を対象とした発光バクテリアを用いた簡易土壌汚染評価手法の開発4

  • 杉田 創
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地圏資源環境研究部門
  • 駒井 武
    東北大学大学院 環境科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Development of simplified soil pollution evaluation method using luminous bacteria for petroleum hydrocarbons 4
  • 石油系炭化水素を対象とした発光バクテリアを用いた簡易土壌汚染評価手法の開発(4)アルコール類に関する急性毒性評価
  • セキユケイ タンカスイソ オ タイショウ ト シタ ハッコウ バクテリア オ モチイタ カンイ ドジョウ オセン ヒョウカ シュホウ ノ カイハツ(4)アルコールルイ ニ カンスル キュウセイ ドクセイ ヒョウカ
  • -Acute toxicity evaluation of alcohols-
  • -アルコール類に関する急性毒性評価-

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抄録

<p>既往の研究において,石油系炭化水素の土壌汚染評価手法の開発を目的として,ガソリン等の主成分であるアルカン類の発光バクテリアに及ぼす急性毒性影響が評価された。一方,アルカン類は微生物分解によりアルコール類を生成することが知られている。そこで,本研究では,アルコール類の発光バクテリアに及ぼす急性毒性影響について調べるとともに,生成したアルコール類共存下でのアルカン類の土壌汚染評価に及ぼす影響について検討を行った。アルコール濃度100 vol%の検液の急性毒性影響の強さは,メタノール<エタノール<2-メチル-1-プロパノール<2-プロパノール<1-プロパノール<2-メチル-2-プロパノール<1-ブタノール≒2-ブタノールであった。この結果は,発光バクテリアに及ぼす急性毒性影響は,直鎖アルコールでは炭素数が高いほど強く,また分岐型よりも直鎖型のアルコールの方が強いことを示している。一方,本研究で試験されたアルコール類は低濃度(検液中の濃度で1 vol%)の場合,発光バクテリアに対して急性毒性影響を及ぼさないことが示された。本研究の結果から,汚染土壌から石油系炭化水素を抽出する溶媒としてメタノールを使用する本手法においては,汚染土壌中にアルコール類が低濃度で存在していたとしても,アルカン類など石油系炭化水素の土壌汚染評価に影響を与えないと考えられる。</p>

収録刊行物

  • 地下水学会誌

    地下水学会誌 63 (3), 119-135, 2021-08-31

    公益社団法人 日本地下水学会

参考文献 (28)*注記

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