不幸の内在的理解について

書誌事項

タイトル別名
  • How to Understand Misfortunes from the Native's Point of View
  • 不幸の内在的理解について : ケニア海岸地方ドゥルマ社会におけるキリスト教、妖術、病い
  • フコウ ノ ナイザイテキ リカイ ニ ツイテ : ケニア カイガン チホウ ドゥルマ シャカイ ニ オケル キリストキョウ 、 ヨウジュツ 、 ヤマイイ
  • On Christianity, Witchcraft, and Illness among the Duruma in the Coastal Areas of Kenya
  • ケニア海岸地方ドゥルマ社会におけるキリスト教、妖術、病い

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抄録

<p>二〇二〇年三月にWHOがパンデミックと宣言したCOVID-19(Coronavirus Disease 2019)は、世界各地の日常生活に大きな影響を及ぼし続けている。本稿では、アフリカ諸地域の事例を基に、宗教人類学が新興感染症を扱う際の諸問題を検討する。初めに、ケニア、ドゥルマ社会の事例を基に、病いの経験と密接に結び付く妖術や憑依霊の観念へのキリスト教の影響について検討する。特に、憑依霊への悪魔としての性質の付与や、占いを通じた不幸の原因究明の過程の省略という状況に焦点を合わせる。次に、アフリカ諸地域におけるマラリア及びHIV/AIDSと妖術ないしキリスト教の関係について、主に医療人類学における先行研究を基に検討する。発症から治療までの経緯を追跡しやすいマラリアと結びつきにくい妖術言説が、病いの経験を追跡し難いAIDSとはより高い親和性を持つ可能性を指摘する。更に、都市部の病院が妖術言説を賦活する場ともなり得ることを、ドゥルマの事例を基に示す。</p>

収録刊行物

  • 宗教研究

    宗教研究 95 (2), 3-23, 2021-09-30

    日本宗教学会

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