インフルエンザなどの急性ウイルス性呼吸器感染症パンデミック/エピデミックに対する和漢治療の歴史─麻黄の品質とその治療効果への影響

  • 根津 雅彦
    千葉大学医学部附属病院和漢診療科
  • 鈴木 達彦
    帝京平成大学薬学部 千葉大学大学院医学研究院和漢診療学 北里大学東洋医学研究所医史学研究部
  • 平崎 能郎
    千葉大学医学部附属病院和漢診療科 千葉大学大学院医学研究院和漢診療学
  • 並木 隆雄
    千葉大学医学部附属病院和漢診療科 千葉大学大学院医学研究院和漢診療学

書誌事項

タイトル別名
  • Japanese Kampo Medicines for Pandemic/Epidemic Prone-acute Respiratory Viral Infections Represented by Influenza Before Modern Times—The Quality of Ephedra Herb and Its Impact on Clinical Efficacy
  • インフルエンザなどの急性ウイルス性呼吸器感染症パンデミック/エピデミックに対する和漢治療の歴史 : 麻黄の品質とその治療効果への影響
  • インフルエンザ ナド ノ キュウセイ ウイルスセイ コキュウキ カンセンショウ パンデミック/エピデミック ニ タイスル ワカン チリョウ ノ レキシ : マオウ ノ ヒンシツ ト ソノ チリョウ コウカ エ ノ エイキョウ

この論文をさがす

抄録

<p>スペイン風邪の際に漢方治療が多くの命を救ったことはよく知られる。古来よりインフルエンザを初めとした急性ウイルス性呼吸器感染症は傷寒などと呼ばれてきたが,本邦ではその治療にあたり,『傷寒論』『小品方』『太平恵民和剤局方』『万病回春』などから多くの処方が取り入れられてきた。江戸期には漢方治療は本邦独自の発展を遂げるものの,医療及び経済的な格差のため,その恩恵を受けた庶民は少数派であった。さらに傷寒治療のキードラッグである麻黄には,古来よりトクサ属植物と混同されるなど品質面に大きな問題を抱え,その薬効が過小評価されてきた可能性があることは,今後も留意すべきものと思われる。<br>新型インフルエンザ・コロナウイルスパンデミックにも,漢方の有効性が期待されている。しかしその力を十分に引き出すには,十分なレベルの知識のもと方剤を適正に使用することの重要性が,今回歴史を振り返ったことにより再認識させられた。</p>

収録刊行物

参考文献 (5)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ