大学ラグビーチームにおける8年間のスポーツ外傷・障害・疾患に関する記述疫学研究

  • 平田 昂大
    慶應義塾大学スポーツ医学研究センター 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科
  • 小熊 祐子
    慶應義塾大学スポーツ医学研究センター 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科
  • 石田 浩之
    慶應義塾大学スポーツ医学研究センター 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科

書誌事項

タイトル別名
  • A descriptive epidemiological study of injuries and illnesses over an 8-Year period in a Japanese university rugby football team
  • ダイガク ラグビーチーム ニ オケル 8ネンカン ノ スポーツ ガイショウ ・ ショウガイ ・ シッカン ニ カンスル キジュツエキガク ケンキュウ

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抄録

<p><tt>目的:慶應義塾大学ラグビー部におけるスポーツ外傷・障害・疾患の実態を記述疫学的に明らかにすること。</tt></p><p><tt>方法:対象は,</tt>2011<tt>年</tt>4<tt>月から</tt>2018<tt>年</tt>12<tt>月の期間中に慶應義塾大学ラグビー部に在籍した選手</tt>368<tt>人とした。期間中に発生した練習・試合から離脱しなければならなかったスポーツ外傷・障害・疾患について,練習日・試合あたりの発生件数,診療科別・疾患分類別発生件数,離脱期間および重症度別発生件数について分析した。なお,診療科別・疾患分類別発生件数では,整形外科,脳神経外科疾患について部位別,発生月別,発生状況別,内科疾患については発生年別,月別に分析した。</tt></p><p><tt>結果:スポーツ外傷・障害・疾患の発生件数は,</tt>8<tt>年間の選手</tt>1<tt>人あたり全体</tt>1.67<tt>件/人,整形外科</tt>1.07<tt>件/人,内科</tt>0.25<tt>件/人,脳神経外科(すべて脳振盪)</tt>0.24<tt>件/人であった。</tt>1<tt>練習日あたりの発生件数は</tt>0.41<tt>件/日,</tt>1<tt>試合あたりの発生件数は</tt>1.18<tt>件/試合であった。</tt><tt>整形外科疾患は部位では下肢が</tt>45<tt>%,疾患分類では靱帯損傷が</tt>46<tt>%と発生割合が高く,内科疾患では感冒</tt>40<tt>%と胃腸炎</tt>35<tt>%の発生割合が高く,季節性と年ごとの流行が観察された。</tt></p><p><tt>結論:整形外科疾患は下肢の靱帯損傷,内科疾患は感冒,胃腸炎が多く,脳神経外科疾患は全例脳振盪であった。プレー時間の確保のためには,これらの現状を踏まえた予防策を講じる必要がある。</tt></p>

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