日本企業の流通行動パラダイムの変容 ニホンキギョウノリュウツウコウドウパラダイムノヘンヨウ
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著者
書誌事項
- タイトル
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日本企業の流通行動パラダイムの変容
- タイトル別名
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ニホンキギョウノリュウツウコウドウパラダイムノヘンヨウ
- 著者名
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崔, 相鐵
- 著者別名
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チェ, サンチョル
- 学位授与大学
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神戸大学
- 取得学位
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博士 (商学)
- 学位授与番号
-
甲第1619号
- 学位授与年月日
-
1997-03-31
注記・抄録
博士論文
資料形態 : テキストデータ プレーンテキスト
コレクション : 国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
目次
- <目次>
- 序章 問題提起と本研究の構成
- 1.問題の所在
- 2.本研究の目的
- 3.本研究の特徴と構成
- 第1章 マーケティング研究におけるパワー論の伝統と信頼論の可能性---「流通価格革命論」を端緒にして---
- 第1節 流通・マーケティングにおける理論と現実
- 1.日本企業のマーケティング神話の崩壊
- 2.諸流通革命論の展開と昨今の「流通価格革命論」
- 3.パワー還元的な理論と実践の相互作用
- 第2節 マーケティングとパワー還元的社会科学
- 1.歴史の終わりと闘争的人間像
- 2.パワーのゼロ・サム・ゲーム的側面
- 3.マーケティングと行動科学的アプローチ
- 第3節 マーケティングと信頼志向的社会科学
- 1.対立の歴史の再演
- 2.文化人類学的社会観とフィールドの知
- 3.交換とパワー
- 4.交換と信頼
- 5.マネジリアル・マーケティングのパワーと商人的マーケティングの信頼
- 第4節 小結:チャネル研究に向けて
- 第2章 チャネル研究におけるパワー・パラダイムの展開と問題点---チャネル協調・コンフリクト観を中心に---
- 第1節 交渉論とチャネル・システム論の展開:その対立性を中心に
- 1.アメリカのチャネル研究の特徴
- 2.交渉論からのチャネル・システム論への批判
- 3.チャネル・システム論からの交渉論への批判
- 第2節 支配的チャネル論における協調・コンフリクト観
- 1.チャネル・コンフリクトに対する考え方
- 2.チャネル協調に対する考え方
- 3.共通の協調・コンフリクト観の堅持
- 第3節 トレード・オフ関係としての協調・コンフリクト観への批判
- 1.チャネル論の行き詰まり
- 2.ゼロ・サム・ゲームとしての協調・コンフリクト観
- 3.拡張組織論の協調観の再評価と新たな協調・コンフリクト観
- 第4節 小結:協調の生成・維持・拡大のダイナミックスの究明に向けて
- 第3章 チャネル研究における信頼パラダイムの可能性---信頼と協調関係の動態的メカニズムの分析---
- 第1節 協調・コンフリクト・信頼への基本的考え方
- 第2節 チャネル協調と信頼の相互作用関係
- 1.協調と信頼の定義
- 2.信頼の形成プロセス
- 3.信頼と協調のポジティブ・サム・ゲーム的相互関係
- 第3節 信頼による協調関係と従来のチャネル論とのかかわり
- 1.マーケティング・チャネルにおける協調行為と協調関係
- 2.パワーと信頼
- 3.パートナーシップと信頼
- 第4節 小結
- 第4章 チャネル研究におけるパワー・パラダイムと信頼パラダイムの対話
- 第1節 パラダイム間の相克
- 第2節 信頼の信頼性
- 1.信頼は常に良きモノか
- 2.信頼と最後の人間
- 第3節 信頼パラダイムとパワー・パラダイムの対話:スペキュレーション
- 1.文化としての信頼パラダイムとパワー・パラダイム
- 2.信頼とパワー再論
- 3.パワー・パラダイムと信頼パラダイムの相互関係の類型化
- 第4節 製販同盟の隆盛と「新拡張組織論」批判
- 1.製販同盟の隆盛
- 2.「拡張組織論」再論
- 3.新拡張組織論としての製販同盟論批判
- 第5節 小結
- 第5章 実践理性と文化理性の対話
- 第1節 消費多様化パラダイムの無力化
- 第2節 使用価値は歴史的に沈澱するか、文化的に明滅するか
- 1.新しい消費論の台頭
- 2.基本的使用価値は存在するか
- 3.使用価値の「歴史的沈澱」と「文化的明滅」
- 第3節 実践理性的消費目的と文化理性的消費目的
- 1.「人は人を食べられるか」再論
- 2.人は人を食べられない:サーリンズの文化理性
- 3.人は人を食べられる:ハリスの実践理性
- 4.還元主義と決定主義への危惧
- 第4節 文化とマーケティング
- 1.飛びすぎた文化理性と文化決定主義
- 2.文化理性と実践理性は真に対立するか
- 3.マーケティングと文化
- 4.商品と文化:実践理性と文化理性の対話
- 第5節 小結
- 第6章 K酒造の営業マン同行記:営業現場における信頼のネットワーク
- 第1節 営業重視の二つの考え方
- 第2節 マーケティング、営業、そして信頼
- 1.マーケティング的営業観と商人的営業観
- 2.営業における信頼論
- 第3節 営業における信頼関係の意義
- 1.営業における信頼関係の形成プロセス
- 2.営業における信頼と協調のポジティブ・サム・ゲーム的相互関係、
- 第4節 「K酒造」のベテラン営業マン同行記
- 1.同行の経緯と清酒業界の概況
- 2.営業における信頼の物語り
- 3.エピローグ
- 第5節 小結
- 第7章 株式会社バリー・ジャパンへの参与観察
- 第1節 参与観察の経緯
- 第2節 バリー・ジャパンの沿革と現状
- 1.バリー・ジャパンの合弁先
- 2.輸入ブランド問屋の三喜商事の概要
- 3.バリー・ジャパンの歴史
- 4.バリー・ジャパンの現況
- 5.バリー・ジャパンの組織
- 6.バリー・ジャパンの戦略
- 第3節 エスノグラフィー・イン・バリー・ジャパン(1):社内風景
- 1.バリー・ジャパンへの入社
- 2.営業第2部のスケッチ
- 3.営業第1部のスケッチ
- 4.マーケティング部の役割と営業第3部
- 5.バリー・ジャパンの経営者とのインタビュー
- 第4節 エスノグラフィー・イン・バリー・ジャパン(2):チャネル現場の物語り
- 1.直営店や大手小売専門店のチャネル現場
- 2.中小小売専門店のチャネル現場
- 3.「'Uコレクション」の廃止の意味
- 4.様々なイベントの模様
- 5.コミュニケーションの隘路と営業組織の動揺
- 第5節 小結:ファインディングとスペキュレーション
- 第8章 松下電器産業の流通系列化の変容---信頼に基づく共存共栄か絶対権力による市場支配か---
- 第1節 揺れる流通系列網と松下電器産業
- 第2節 松下の流通系列化政策の歴史的展開
- 1.基盤整備期:創業から終戦直後まで
- 2.再建および初期拡大期:戦後から60年代中盤まで
- 3.本格的拡大期:オリンピック不況からオイル・ショック期まで
- 4.流通戦略転換期:70年代中盤からバブル終息期まで
- 5.流通革命の嵐の中の新調整期:90年代以降
- 第3節 松下の流通系列システムの構成員の行動
- 1.社内の営業部門と前期的系列化
- 2.本格的な卸売段階の系列化
- 3.本格的な小売段階の系列化
- 4.量販店の台頭
- 第4節 松下の流通系列化における二つの顔:共存共栄の精神か絶対権力の姿か
- 1.松下の系列網構築の意図:「はじめに共存共栄精神ありき」について
- 2.系列店の取捨選択:ムチかアメか
- 3.販売体制の革新:信頼回復の試み
- 4.松下の流通系列化によって創られた現実
- 第5節 小結:松下の流通系列化の自己言及性
- 結章 結論と課題
- 1.パワー・パラダイム横行への憂慮
- 2.本研究の意義と要約
- 3.残された課題
- <参考文献>