3d遷移金属化合物の電子状態に関するX線分光学的研究

この論文をさがす

著者

    • 河村, 直己 カワムラ, ナオミ

書誌事項

タイトル

3d遷移金属化合物の電子状態に関するX線分光学的研究

著者名

河村, 直己

著者別名

カワムラ, ナオミ

学位授与大学

岡山大学

取得学位

博士(理学)

学位授与番号

甲第1884号

学位授与年月日

1999-03-25

注記・抄録

博士論文

3d遷移金属(3d-TM)化合物におけるK-吸収端のX線近吸収端構造(XANES)およびX線磁気円二色性(XMCD)を利用して3d-TMの電子状態および磁気状態について調べた.このX線吸収分光法の特長を活かすことによって,3d-TM化合物の多様な磁気的性質を電子状態の観点から考察した.3d-TMイオンおよび配位子を変化させたときの3d-TMおよび酸素のK-吸収端XANESスペクトルの系統的な変化から,吸収端近傍の構造はTMイオンの3d電子状態を強く反映していることを見出した.スピネル型フェライトMFe(2)0(4)(M=Cr~Cu)におけるXMCDの系統的な変化から,サイトによる寄与を分離した.また,金属性Fe化合物のXMCDでは配位子からの電荷移動によるFeの電子配置の変化を議論した.さらに,K-吸収端に対する磁気光学総和則の適用によって,4p軌道磁気モーメントを求め,酸化物と金属性化合物では互いに反対符号を持つことが明らになった.XMCDスペクトル中に観測される多電子励起(MEE)シグナルに対する系統的な変化から,MEEの特徴を捉えることによってその機構の解明を行った.エネルギー位置,強度,幅等の特徴からshake-up過程に付随する3p→4p単極遷移は否定され,終状態が(1s)(1)(3p)(5)(3d)(n+2)で表されるsuper Coster-Kronig遷移であることを提案し,実験的にそれを立証した.X線吸収分光法を利用して電子状態を議論するためには,エネルギ一分解能および統計精度の点で第三世代放射光の利用が適している.そこでSPring-8 BL39XUにおいて透過型移相子とピエゾ素子およびロックイン検出法の組み合わせによる「偏光変調法」XMCD測定を確立した.エネルギー分解能および統計精度に格段の向上が得られ, XMCDスペクトルに新たな微細構造が観測された.これによって,電子状態や磁気状態の詳細を議論することが可能となる.

目次

  1. 目次 / p1 (0003.jp2)
  2. Abstract / p1 (0005.jp2)
  3. 1 序論 / p2 (0006.jp2)
  4. 2 理論的背景 / p6 (0010.jp2)
  5. 2.1 XMCDの現象論 / p6 (0010.jp2)
  6. 2.2 X線と電子の相互作用 / p8 (0012.jp2)
  7. 2.3 XMCDの理論 / p12 (0016.jp2)
  8. 2.4 K-吸収端におけるXMCDの理論 / p14 (0018.jp2)
  9. 3 試料とその評価 / p22 (0026.jp2)
  10. 3.1 試料の特性 / p22 (0026.jp2)
  11. 3.2 試料の作製と構造評価 / p37 (0041.jp2)
  12. 3.3 Mössbauer分光実験 / p42 (0046.jp2)
  13. 4 X線吸収分光法による電子状態の研究 / p50 (0054.jp2)
  14. 4.1 XANES測定 / p50 (0054.jp2)
  15. 4.2 XANESの結果と考察 / p55 (0059.jp2)
  16. 4.3 XMCD測定 / p74 (0078.jp2)
  17. 4.4 XMCDの結果と考察 / p79 (0083.jp2)
  18. 4.5 多電子励起 / p117 (0121.jp2)
  19. 5 偏光変調XMCD測定 / p135 (0139.jp2)
  20. 5.1 SPring-8 BL39XU / p135 (0139.jp2)
  21. 5.2 透過型移相子による円偏光変調法の確立 / p146 (0150.jp2)
  22. 5.3 XMCDの結果と考察 / p155 (0159.jp2)
  23. 6 結論 / p182 (0186.jp2)
  24. 謝辞 / p185 (0189.jp2)
  25. 参考文献 / p186 (0190.jp2)
13アクセス

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000174266
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000174542
  • DOI(NDL)
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 000000338580
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL-OPAC
    • NDLデジタルコレクション
ページトップへ