阮籍・嵆康の文学
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著者
書誌事項
- タイトル
-
阮籍・嵆康の文学
- 著者名
-
大上, 正美
- 著者別名
-
オオガミ, マサミ
- 学位授与大学
-
京都大学
- 取得学位
-
博士 (文学)
- 学位授与番号
-
乙第10338号
- 学位授与年月日
-
2000-03-23
注記・抄録
博士論文
資料形態 : テキストデータ プレーンテキスト
コレクション : 国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
目次
- 論文目録
- 目次
- 序に代えて-阮籍・嵆康の生と文学
- 一 「文明の世」と陶淵明
- 二 「街巷に異口の議無き」世と、阮籍・嵆康
- 三 編激の生の文学性
- 四 <表現>へと押し上げていった言志性
- I 阮籍の文学
- 第一章 「詠懐詩」試論-表現構造にみる詩人の敗北性について
- はじめに
- 一 其の一にみる基本構造
- 二 現実からの逸脱・<詩>のはじまり
- 三 二重の敗北性(I)・強いられた感受性
- 四 二重の敗北性(II)・現実への苦い回帰
- 第二章 「為鄭沖勧晋王牋」について
- 一 問題の在処
- 二 制作年代-景元二年説
- 三 魏公受命の勧進文との比較
- 四 表現者としての醒めた眼ざし
- 第三章 阮籍と情況-伏義との往返書簡
- 一 考察の目的
- 二 伏義の阮籍糾弾の論理とレトリック
- 三 時代認識の押しつけ
- 四 返書に見る阮籍の「白眼」と「至慎」
- 五 往返書簡の意味するもの
- 第四章 「達荘論」と「大人先生伝」
- はじめに
- 一 「達荘論」の仮構
- 二 「大人先生伝」の仮構
- おわりに-情況から仮構へ
- II 嵆康の文学
- 第一章 絶交書二首に見る表現の位相
- はじめに
- 一 対自の場
- 二 自責を方法として
- 三 比喩と反撃性
- 四 嵆康の失語
- おわりに
- 第二章「答二郭詩」に見る自立の契機
- まえおき
- 一 問題の設定
- 二 親友批判の矛先
- 三 兄との別れの場合
- 四 危機意識の顕在化
- 五 自立の精神
- 第三章 「述志詩」における言志の様相
- 一 考察の目的
- 二 志を確認する揚
- 三 「幽憤詩」における言志
- 四 「卜疑」における言志
- 五 「述志詩」の位置づけ
- 第四章 「卜疑」試論
- はじめに
- 一 「卜居」の文体
- 二 「宏達先生」の設定
- 三 「卜疑」の卜問
- 四 「宏達先生」に託したもの
- おわりに-「卜疑」の試みと限界
- 第五章 「管蔡論」の方法-嵆康と情況
- はじめに
- 一 「周公・管蔡の事」に関する高貴郷公の下問
- 二 「管蔡論」試訳
- 三 管蔡弁護のレトリック
- 四 「管蔡論」と情況
- おわりに
- III 阮籍・嵆康の周辺
- 第一章 阮咸評伝
- 第二章 劉伶論-生と文学の位相
- はじめに
- 一 不分明な生涯の事跡
- 二 演じられた生
- 三 封じこめた内面
- 四 「酒徳頌」はどのように語られたか
- 五 劉伶の文学の位相
- おわりに
- 第三章 山濤-「貴顕の自由人」の前半生
- 一 山濤批判をめぐって
- 二 前半生の「隠身自晦」と「遠識」と
- 三 山濤的存在の意味するもの
- 第四章 鍾会論
- はじめに
- 一 思想糾弾者の敗死
- 二 悲劇の外因-情況の中の鍾会
- 三 悲劇の内因-思想コンプレックス
- 四 嵆康・阮籍と固有の他者
- おわりに
- IV 陶淵明の文学をどのように考えるか
- 第一章 六朝詩文の考え方-阮籍・陶淵明・謝霊運
- 一 六朝文学の問題の在処
- 二 阮籍と陶淵明
- 三 謝霊運
- 四 陶淵明をどう位置づけるか
- 第二章 阮籍・嵆康から陶淵明へ
- はじめに
- 一 阮籍詩と陶淵明詩-日夕の感受をめぐって
- 二 嵆康「家誡」と陶淵明「与子儼等疏」
- おわりに
- 第三章 「飲酒其五」試解
- 一 「欲弁已忘言」について
- 二 「飲酒其五」注解
- 第四章 陶淵明研究の可能性
- 一 戦後の陶淵明論の出発-吉川幸次郎『陶淵明伝』
- 二 陶淵明論の行方-岡村繁『陶淵明』
- 第五章 陶淵明と顔延之
- <附論>
- (一) 顔延之論-阮籍受容の顔延之的意味について
- 一 <志>に対する負い目
- 二 生と文学、それぞれの二重性
- 三 阮籍受容と「狂」なる自己規定
- 四 南朝文学と顔延之
- (二) 江滝の挫折-建安呉興の令左遷をめぐって
- はじめに
- 一 江庵と生涯の庇護者
- 二 建平王ヘの信頼の体験
- 三 挫折と幻滅
- 四 後半生の<志>の危機
- 五 建安呉興の三年間
- おわりに
- (三)蕭統と蕭綱-『文選』と『玉台新詠』の編纂を支える文学認識
- はじめに
- 一 蕭統の「沈思翰藻」
- 二 蕭綱の「文章放蕩」
- 三 「幽せられて志を述ぶ」