成人女性における身体形状の加齢および日内変化に関する研究 Aged-related and diurnal changes in female body shape

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著者

    • 村上, 泉子 ムラカミ, モトコ

書誌事項

タイトル

成人女性における身体形状の加齢および日内変化に関する研究

タイトル別名

Aged-related and diurnal changes in female body shape

著者名

村上, 泉子

著者別名

ムラカミ, モトコ

学位授与大学

九州芸術工科大学

取得学位

博士 (工学)

学位授与番号

甲第40号

学位授与年月日

2000-03-17

注記・抄録

博士論文

我々の身体は絶えず変動を続けている。特に,年齢とともにその身体形状は大きく変化する。また,手や下肢部などの身体局部位では,一般的にむくみと呼ばれる日内における形状変化も認められる。そこで,本研究では加齢によって,また,1日の生活において身体の形状がどのように変化するのかを明らかにすることを目的とした。意識調査および実測データより,健常な成人女性の全身における加齢に伴う形状変化について検討し,さらに,顔面部を含めた部位における形状の日内変化について調査研究を行った。 /  自分自身の身体形状に対する意識に関しては,自己記入式の調査表を用いて1)身体サイズと皮下脂肪について,2)顔面の形状変化,3)1日における身体局部位の形状変化,の3回の調査を実施した。その結果,10代から20代前半までは,体重,身体サイズは減らし,軽く,細くなりたい,と思っているのに対して,20代後半からは,出すところは出す,引っ込めるところは引っ込めるといった考え方になる。また,40代以降は皮下脂肪沈着による形状変化への意識が腹部に集中していた。顔面の形状変化は特に老化現象として考えられており,「たるみ」として“目尻が下がる”,“口元がさがる”,“頬が下がる”といった現象が具体的に挙げられた。また,1日の形状変化として「むくみ」の意識は,下肢部において非常に高かったが,顔面部や手・手指部でも実感されていることが分かった。また,部位によってその実感のされ方も異なっていた。 / 意識調査で得られた結果より,体型形成に重要な要素である測定項目および測定部位を検討し,実際に身体形状測定を行った。全身の変化については,各身体周径囲と皮下脂肪の分布より年齢変化を中心として20代,40代および60代群の比較(横断的方法),また,20代の5年間による変化(縦断的方法)を検討した。その結果,加齢に伴う皮下脂肪厚の増加は体幹部で顕著に認められ,20代群と比較して,40代では体幹下部で,60代群では更に体幹上部と上腕部においても差が認められた。同様に,身体周径囲も体幹部において差が認められた。また,20代前半から20代後半の経年的な変化を見ると,体幹部の皮下脂肪厚の顕著な増加が認められたのに対して,身体周経囲の変化はほとんど認められなかった。 / さらに,皮下脂肪厚の加齢による増加が顕著であった腹部および腎部周辺部位に関して,詳細な計測を実施し,20代から50代における皮下脂肪分布状態についての年齢による比較を行った。その結果,20代前半群ではどの部位においても皮下脂肪の厚さはほぼ同程度であったが,20代後半に顕著な沈着が認められ,皮下脂肪分布状態は各年齢によって異なっていた。腹部,腎部の形状は各年齢で大きく変化していることが示唆された。 / また,顔面部の形状変化について,意識調査より実感の高かった「たるみ」について,その計測法を確立し,20代から50代の顔面各部位のたるみ量を実際に計測した。その結果,たるみ量は年齢により大きくなる傾向が認められ,特に30代と40代での変化が大きいことが明らかとなった。 / 午前と午後の身体局部位の形状計測より,日内の形状変化をむくみとして検討した。下肢部をはじめとして,意識調査でも実感のあった顔面部および手・手指部についても,むくみの自覚症状にあった評価法を用いてむくみを定量化し,20代女性のむくみの実態を把握した。下肢部においては午後に形状が大きくなっているのに対して,顔面部および手・手指部については,午前中に形状が大きくなっていた。健常女性では,下腿部において,午後にむくみが発生していることはこれまでにも報告されている。しかしながら,本研究においては,顔面部および手・手指部について,下肢部とは異なり,午前中にむくみが発生していることが明らかとなった。また,実際の形状変化と意識との関連性,むくみへの季節の影響についても検討を加えた。 / 加齢により体幹部,上腕部において皮下脂肪厚の沈着が認められ,特に,下腹部に皮下脂肪の沈着が認められ周径囲も太くなっている。また,身体後部における皮下脂肪分布は腰部に沈着が大きくなっており,下腹部が出て腰部まわりが,太くなり腰のくびれのない寸胴な体型になっている。顔面形状においても加齢により目尻や口元が下がり,たるみが認められる。20代の前半から後半の年齢においては,見かけ上の体型は変化がないように見えるが,皮下脂肪の沈着が顕著であり体内組成が大きく変化する。また,普段の生活においても,朝は顔面部と手・手指部がむくんでおり,夕方には脚部でのむくみが認められる。女性の身体形状は年齢的要因で変化するとともに,毎日の生活によっても絶えず変化を繰り返していることが明らかとなった。このような身体形状の変化を正しく把握することにより,健康で美しい女性の身体形状の維持が可能となると思われる。

目次

  1. 目次 / p1 (0003.jp2)
  2. 第1章 序論 / p1 (0007.jp2)
  3. 1.1.はじめに / p1 (0007.jp2)
  4. 1.2.研究の背景 / p1 (0007.jp2)
  5. 1.3.研究目的 / p3 (0009.jp2)
  6. 1.4.本論文の構成 / p3 (0009.jp2)
  7. 第2章 女性の身体形状に対する意識 / p6 (0012.jp2)
  8. 2.1.はじめに / p6 (0012.jp2)
  9. 2.2.調査方法 / p6 (0012.jp2)
  10. 2.3.結果 / p7 (0013.jp2)
  11. 2.4.考察 / p21 (0027.jp2)
  12. 第3章 全身における形状変化-皮下脂肪厚および身体周径囲の年齢的変化- / p24 (0030.jp2)
  13. 3.1.はじめに / p24 (0030.jp2)
  14. 3.2.方法 / p24 (0030.jp2)
  15. 3.3.結果 / p29 (0035.jp2)
  16. 3.4.考察 / p39 (0045.jp2)
  17. 第4章 身体局部位の形状変化(1)-腹部、臀部形状の年齢的変化- / p43 (0049.jp2)
  18. 4.1.はじめに / p43 (0049.jp2)
  19. 4.2.方法 / p43 (0049.jp2)
  20. 4.3.結果 / p47 (0053.jp2)
  21. 4.4.考察 / p52 (0058.jp2)
  22. 第5章 身体局部位の形状変化(2)-顔面部形状の年齢的変化- / p54 (0060.jp2)
  23. 5.1.はじめに / p54 (0060.jp2)
  24. 5.2.方法 / p55 (0061.jp2)
  25. 5.3.結果 / p59 (0065.jp2)
  26. 5.4.考察 / p65 (0071.jp2)
  27. 第6章 身体局部位の形状変化(3)-下肢部、手・手指部、顔面部形状の日内変化- / p68 (0074.jp2)
  28. 6.1.はじめに / p68 (0074.jp2)
  29. 6.2.方法 / p69 (0075.jp2)
  30. 6.3.結果 / p74 (0080.jp2)
  31. 6.4 考察 / p85 (0091.jp2)
  32. 第7章 総括 / p90 (0096.jp2)
  33. 引用文献 / p94 (0100.jp2)
  34. 謝辞 / p103 (0109.jp2)
  35. 巻末資料 アンケート調査:質問項目 / p1 (0111.jp2)
  36. ボディに関するアンケート / p1 (0111.jp2)
  37. 老化意識調査 / p3 (0113.jp2)
  38. 日常生活における身体の変化に関するアンケート / p4 (0114.jp2)
  39. 普段の食事摂取状況 / p6 (0116.jp2)
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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000189229
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000189512
  • DOI(NDL)
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 000000353543
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL ONLINE
    • NDLデジタルコレクション
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