紫外線照射によるポリ乳酸の光分解の精密解析 Analysis of Photolysis Behavior of Poly(L-lactic acid) under Ultraviolet Irradiation

この論文をさがす

著者

    • 安田, 信彦 ヤスダ, ノブヒコ

書誌事項

タイトル

紫外線照射によるポリ乳酸の光分解の精密解析

タイトル別名

Analysis of Photolysis Behavior of Poly(L-lactic acid) under Ultraviolet Irradiation

著者名

安田, 信彦

著者別名

ヤスダ, ノブヒコ

学位授与大学

九州工業大学

取得学位

博士(工学)

学位授与番号

生工甲第146号

学位授与年月日

2010-09-30

注記・抄録

博士論文

本研究では、ポリ乳酸(PLLA)の光劣化について精密解析評価を行った。背景として、近年、再生可能資源から合成される生分解性と解重合性を兼ね備えたポリマーとして、PLLA は循環型社会の構築に重要な役割を果たし得る材料としてPLLA(PLLA)が考えられている。問題点として、PLLA は屋外で用いる際、太陽光により紫外線劣化を起こす事が知られており、これがPLLA の循環利用に及ぼす影響は未知であり、評価を行う必要がある。そこで、本研究では、光劣化の分解挙動を明らかにする事と、ケミカルリサイクルへの影響を評価する事を目的とした。本研究の論文は第 1 章から第11 章までで構成される。第 1 章では緒言として、生分解性のPLLA についての背景を示した。第 2 章では、PLLA の光分解に関する既往の研究をまとめ、分解メカニズムがNorrishⅡ型である事、そして、ラセミ化の評価が行われていない事を示し、本研究で明らかにすべき点を示した。第 3 章では本研究で行うPLLA フィルムサンプルの調製方法とUV-C を光源とした光照射試験の方法について紹介をした。第 4 章では光分解挙動について、外観、重量、分子量、及び光学純度の変化を評価した。これらの結果から、ラセミ化する事が新たに判明した。また、初期の光分解はランダム分に進行し、分子切断末端の生成が関与している可能性が示された。第 5 章では、初期光劣化の分解メカニズムの解析結果を示した。ここで起こるランダム分解反応の詳細を動力学的解析により明らかにし、結果では、PLLA の初期光劣化は単純ランダム分解で進行している事を示した。第 6 章では第4 章で明らかとなったラセミ化について、発生位置の調査を行った。この結果、UV-C 照射サンプルでは分子末端でのラセミ化が確認された。第 7 章では、分解反応機構を明らかにするため、分解生成物を明らかにした。結果、PLLA の光劣化から、乳酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ギ酸エチルの生成が特定された。また、NorrishⅡ型で生成が予測されるアクリル酸の生成が確認されなかったが、NorrishⅠ型の分解反応メカニズムを示す、ギ酸やギ酸エチルが確認された。第 8 章は、ポリ乳の光分解反応機構の推測結果を示した。ここでは、第7 章の結果より、NorrishⅠ型をメインとする分解を示し、切断後に分子鎖の量末端でラセミ化が起こる機構を示した。第 9 章では、UV-A、UV-B を光源とした場合の劣化について評価を行った。結果、UV-A では試験期間内での光劣化を確認されなかったが、UV-B では光劣化が確認され、ラセミ化の発生と、NorrishⅠ型分解の可能性が示された。PLLA の屋外劣化は、太陽光に含まれるUV-B の作用が大きく影響している。このため、UV-B と同様の分解メカニズムを持つUV-C の分解反応機構は屋外劣化に対しての加速試験として評価が可能であることが示された。第10 章では光劣化PLLA のケミカルリサイクルへの影響を評価した。評価は、熱によるPLLA のケミカルリサイクルの方法と同様に行った。この結果、光劣化によるラセミ化成分としてD,D-Lactide よりmeso-Lactide が優先的に得られる事を示した。この事より、分離除去が容易なmeso-Lactide が優先的に生成されるのであれば、光劣化PLLA はケミカルリサイクル問題の無い範囲であると示した。第 11 章では結言として結果をまとめた。これまでの結果から、PLLA は、光分解反応に伴い確実にラセミ化を引き起こすという新たなメカニズムが確認され、屋外劣化の加速試験としてUV-C が有用である事が示された。また、光劣化でのラセミ化がPLLAの資源循環では問題の無い範囲である事が示唆された。

九州工業大学博士学位論文 学位記番号:生工博甲第146号 学位授与年月日:平成22年9月31日

第1章 緒言|第2章 ポリ乳酸の光分解に関する従来の研究|第3章 光照射実験|第4章 光分解挙動|第5章 初期ランダム分解反応の機構|第6章 ラセミ化位置の特定|第7章 分解生成物の分析|第8章 反応機構の推定|第9章 UV-A、UV-B 照射によるPLLA の劣化確認|第10章 光劣化 PLLA のケミカルリサイクルへの影響|第11章 結言

平成22年度

九州工業大学博士学位論文(要旨) 学位記番号:生工博甲第146号 学位授与年月日:平成22年9月30日

1アクセス

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000570449
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000572737
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 024456488
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL ONLINE
ページトップへ