イオン液体を用いた高安全性蓄電デバイスの開発と新規電気化学反応モデルの提唱 Development of high safety energy devices with ionic liquids and proposals for new electrochemical reaction models
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著者
書誌事項
- タイトル
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イオン液体を用いた高安全性蓄電デバイスの開発と新規電気化学反応モデルの提唱
- タイトル別名
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Development of high safety energy devices with ionic liquids and proposals for new electrochemical reaction models
- 著者名
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織田, 明博
- 著者別名
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オリタ, アキヒロ
- 学位授与大学
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横浜国立大学
- 取得学位
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博士(工学)
- 学位授与番号
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甲第1491号
- 学位授与年月日
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2012-09-24
注記・抄録
博士論文
application/pdf
硫黄を中心元素とするスルフォニウムカチオン、アリル基を有するアンモニウムカチオン、及びイミダゾリウムカチオンで構成される種々のイオン液体を合成し、リチウムイオン電池 (LiB) 電解質溶媒、電気二重層キャパシタ (EDLC) 用電解質塩としての特性を調べた。スルフォニウムカチオンを用いた場合、EDLC用途に既に実用化されている電解質塩と比較して、243-298 Kの幅広い温度において優れた EDLC特性を示し、細孔内での拡散性及びアニオンとの相互作用の大きさを考慮した適度に小さいカチオンサイズに起因すると結論付けた。また、アリル基の特異的効果を利用することで、大きいカチオンであっても優れたEDLC特性を示すことを見出し、新規な電気二重層貯蔵モデルを提唱した。また、イオン液体に類似の性質を示すオリゴエーテル (グライム) とLi塩で構成される錯体の、LiB用電解液としての特性を調べた。汎用的に使用される正負極活物質であるLiCoO2及び黒鉛に替えて、LiFePO4及びLi4Ti5O12を用いることで、1 CmA以下の放電レートではカーボネート系有機電解液に優れる特性を示すことを見出した。上記のように高粘度電解液であるグライム-Li塩錯体であっても優れた特性を示した原因を調べるため、マイクロ電極法を用いて調べた。その結果、LiFePO4正極の放電レート特性は、電気的接触点の数が支配的因子となり、電解液のイオン伝導率の影響を受けにくいことが示唆された。そのため、難揮発性イオン液体を電解液に実用できる可能性を見出した。
横浜国立大学, 平成24年9月24日, 博士(工学), 甲第1491号