時間軸設計に基づく知覚拡張に関する研究 Augmented perception based on time domain control

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著者

    • 小泉, 直也 コイズミ, ナオヤ

書誌事項

タイトル

時間軸設計に基づく知覚拡張に関する研究

タイトル別名

Augmented perception based on time domain control

著者名

小泉, 直也

著者別名

コイズミ, ナオヤ

学位授与大学

慶應義塾大学

取得学位

博士(メディアデザイン学)

学位授与番号

甲第3849号

学位授与年月日

2013-03-23

注記・抄録

博士論文

人間は感覚器を介して実世界の物理情報を感知し, 知覚というフィルタリングを介して, 実世界からリアリティを得ている. 本研究では, 拡張現実感の設計手法の一つとして, 感覚情報の時間軸操作による知覚拡張の設計論を提案し, その手法の構築を行う. 本論文では, 人間の知覚に働きかけ, これまでに知覚することができなかったような, 新しい知覚を得ることの出来る知覚拡張手法の設計に関して述べる. さらに知覚の拡張手法として時間軸制御手法を一般化するために, 今後行うべきことについて整理する.知覚拡張手法の設計では, 知覚の作用点は感覚器上・感覚内統合・多感覚統合の三段階で考えることができると仮定し, それぞれの段階で知覚の拡張を実現することとした. 知覚拡張を実現するための制御パラメータとして, ①人間の行動と情報制御の間の遅延時間, ②情報提示の時間幅の二種類に関して検討を行った.人間の行動に対する情報提示の遅延時間を最小化する知覚拡張の設計例として『光学迷彩2.0』を製作した. これは自己の身体像が, 視覚的に透明になることが出来る展示として, 日本科学未来館に展示を行ったものである. その手法として, 空間に常に知覚拡張のための情報を提示し続け, ユーザは行動によってその情報が得られる設計にした. また知覚の作用点は感覚器上に設定した. その結果, 鏡の中の自己像が透明に見える知覚の実現に成功した. さらに実装したシステムの展示を行い, その観察による評価を行った. さらに提案手法の応用例を示した. 提示時間の設計例として, 『Double Frequency Stop Motion Goggle』の研究を行った. これは視覚の情報を左右で異なる周期で離散化する手法である. 離散化には強誘電体液晶を利用したシャッターメガネを利用した. また知覚の作用点は感覚内統合に設定し, 左右の肉眼に対して異なるシャッター制御を行った. 設計したシステムを利用した実験を行いその効果を実証し, 高速物体に対する新しい視知覚表現の提供を実現した.遅延時間を最大限に利用する例として『Chewing JOCKEY』を提案した. これは咀嚼時に聴覚フィードバックを行うことで, 食品テクスチャの知覚を拡張しようとする例である. コンピュータによる咀嚼音の加工には一定の時間が必要であるため, 咀嚼音のフィードバックには遅延時間が生じる. そこで咀嚼と聴覚の同時性の窓(複数の現象を同時と知覚することの出来る時間幅)を求め, その枠内で情報の加工を行うシステムを実現した. ここでは知覚の作用点は多感覚統合に設定している. 実験の結果, ポテトチップ及びクラッカーに対する咀嚼音にハイパスフィルタを付加した音声をフィードバックすることによって, 食感の変化を確認することができた.最後に, 知覚の拡張に対する考察を行った. 時間軸設計の手法を再設計し, 自己運動感覚時間を知覚への作用の基準することで, 本研究における知覚設計が成り立つことを示した. またその自己運動感覚時間に対して, 同時性の窓をたたみ込み積分として演算した結果を知覚に対する有効作用領域と定義することで, 知覚における時間軸設計のモデルを提案し, 本研究で取り扱った実例が説明可能であることを示した.

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000574876
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000577207
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 024808641
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL ONLINE
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