芦田恵之助における随意選題思想形成過程に関する研究―明治期の芦田の綴方実践と思索に着目して―
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著者
書誌事項
- タイトル
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芦田恵之助における随意選題思想形成過程に関する研究―明治期の芦田の綴方実践と思索に着目して―
- 著者名
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北川, 健次
- 学位授与大学
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武庫川女子大学
- 取得学位
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博士(臨床教育学)
- 学位授与番号
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甲第145号
- 学位授与年月日
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2017-03-19
注記・抄録
収集根拠 : 博士論文(自動収集)
資料形態 : テキストデータ
コレクション : 国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
芦田恵之助は、大正2年に『綴り方教授』を発表して以来、随意選題を提唱していった。その思想的基盤は、明治期に形成されていたといえる。芦田が随意選題の提唱に至る過程を、彼の綴方教育実践と思索に着目して検討した結果、次のようにたどることができる。①子ども期に経験した課題主義綴方への違和感-②『丙申水害実況』の実作体験による綴ることの自発性の重視(以上第1章)-③樋口の活動主義と自由発表主義の影響(第2章)-④「勝手にせい」と思い自由に書かせた突発的な出来事で得た作品への感動と随意選題の意識-⑤綴方の発達段階論による綴方教授のカリキュラム化の提起-⑥「吉野さん」の実践による「真情流露の文」の提唱(以上第3章)である。 そして、明治期の随意選題思想の到達点として位置づけられるのが、発達段階論を展開する途上で、芦田が提唱した⑥の「真情流露の文」である。ここに至る上記①から⑥の過程は、随意選題思想を形成する土台として挙げることができる。これらが絡み合い、その総体として随意選題思想が形成されていったと考えられる。 その到達点としての「真情流露の文」という言葉に凝縮されているのは、芦田の分厚い実践と思索の蓄積である。表面的には形式的ともいえる綴方方法やそれらを駆使した発達段階論を展開していた明治期にこそ、芦田の綴方教育思想形成に関する重要な基盤が形成されていたのである。
2016
目次
- 2023-09-05 再収集
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