大江健三郎研究 : その〈想像力〉の軌跡 Study of Kenzaburo Oe : The trajectory of 〈imagination〉
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著者
書誌事項
- タイトル
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大江健三郎研究 : その〈想像力〉の軌跡
- タイトル別名
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Study of Kenzaburo Oe : The trajectory of 〈imagination〉
- 著者名
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杉山, 若菜
- 学位授与大学
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大東文化大学
- 取得学位
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博士(日本文学)
- 学位授与番号
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甲第154号
- 学位授与年月日
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2019-03-20
注記・抄録
本論文は、大江健三郎の小説やエッセイ・文学論等を含む言説全体を視野に置き、七〇年前後に顕著となった大江自身の〈想像力〉の探求と自己検証を起点に、およそ八〇年代半ばまでの文学活動の〈実践〉の展開を追った。中でも『ヒロシマ・ノート』『沖縄ノート』に次ぐ『文学ノート』は、小説『洪水はわが魂に及び』との併読を企図した「創作ノート」であり、かつ、執筆中の自分自身を分析した「臨床報告」として刊行されていることから、大江の〈想像力〉の軌跡を考察する上で重要な〈ノート〉であると位置づけた。その上で『文学ノート』と『洪水はわが魂に及び』の併読により摘出した「開かれた自己否定」「祈り」「ヴィジョン」といったキーワードを手がかりにして、八〇年代半ばまでの小説やその他の言論を分析した。その結果、「想像力」に端を発した大江の自己検証と〈実践〉が、「神と呼ぶところのもの」に接近し得る前段階としての、「『祈り』と呼ぶほかにないもの」の位相へと逢着する推移を確認した。