豊かさとは何か
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著者
書誌事項
- タイトル
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豊かさとは何か
- 著者名
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暉峻, 淑子, 1928-
- 著者別名
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テルオカ, イツコ, 1928-
- 学位授与大学
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法政大学
- 取得学位
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経済学博士
- 学位授与番号
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乙第55号
- 学位授与年月日
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1991-10-01
注記・抄録
博士論文
資料形態 : テキストデータ プレーンテキスト
コレクション : 国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
目次
- 一 金持ちの国・日本
- カネとモノがあふれる国
- 第三世界の姿は四十年前の日本
- 豊かさに夢中になった日本人
- 表面だけの豊かさ――余裕と思いやりの喪失
- 時間を奪いとられた生活
- 豊かさへの道を踏みまちがえた日本
- 二 西ドイツから日本を見る
- 資本主義国の中でも特殊な日本
- もはやいいわけは通用しない
- 空港から落ちついた美しい町へ
- 森や木や動物と共にゆったりと生きる人びと
- 問題意識が豊かな学生たち
- 生活基盤の充実が豊かさを保障
- 個性的で、のびのびとした教育
- 自己責任の前に社会的責任
- 生徒も教師も自由
- 見守るが強制はしない――「非行」少年少女の教育
- 一人ひとりを家庭的に教える――特別クラス
- 個室制で活気ある老人ホーム
- ゆきとどいた在宅看護とホーム・ヘルプ
- 安くて高水準で個性的な住宅
- 土地の私権にはきびしい制限
- 四万以上の自助グループが活躍
- 心配のない、老人たちの生活
- 安い交通費――社会的共通資本の威力
- 金持ちで貧乏な国――西ドイツから見た日本
- 他国を知ることは自国を知ること
- 三 豊かなのか貧しいのか
- 日本の「豊かさ」への疑問
- 「豊かさ」って何だろう――女たちの生活実感
- 高校生たちの疑問と不安
- 動物や植物とともに命を大切にして生きる――地球的豊かさ
- 地球的豊かさ感と物量的豊かさ感への分裂
- 豊かさへの疑問と、ガルブレイスの『ゆたかな社会』
- 市場経済信仰から所得の再分配へ
- かきたてられる欲望から自主的に決定される欲望へ
- 豊かな社会とは?――ガルブレイスの結論
- 個人生活の側から豊かさを測る――生活水準論
- 貧困調査から始まった生計調査
- 日本の生計調査の曙
- 多角的な視点をもつ現代の生活水準論
- 四 ゆとりをいけにえにした豊かさ
- ゆとりを生み出すもの――社会保障と自由時間
- 労働時間も通勤時間も長い日本
- 全国建設連労協の「健康と生活に関する調査」
- 残業・休日出勤・徹夜勤務
- 有給休暇・忙しさ・イライラ・やりがい
- 残業の影響がとくに大きい睡眠と食事
- 帰宅時刻と就寝時刻
- 人間らしい生活をするには残業は月十時間が限度
- 精神的一体感の喪失――危機感を抱く妻たち
- 回復困難な披露、常用される薬
- 拒否しにくい残業
- 本人と家族は残業をどう考えているのか
- すべての産業に共通する労働実態
- 人間の本性に反する夜勤・深夜労働
- 拡がるストレス性疾患と過労死
- 何よりも合理化と効率化を優先する国
- 「八時間労働」の真の意味
- 時間短縮を伴わない男女雇用平等は差別を生む
- ストレスにさらされる母性
- 機械化によって貧しくなった労働
- 時間短縮が「労働のあり方」を変えていく第一歩
- 五 貧しい労働の果実
- 労働者の暮らしはどうなっているのか――総務庁の家計調査から
- ひろがる新しい貧富の格差
- 日本人の貯蓄好き――それも土地暴騰の一因
- 住宅は生活の容れもの
- 「個人の自己責任」――ないに等しい日本の住宅政策
- 「住宅は人格の一部」――住宅に手厚い助成のある国の考え方
- 持てる者と持たざる者との格差
- 全国に波及する地価の騰貴
- 可処分所得を上回る住宅ローンの返済額――東京のクレージーな現象
- 都市住宅を自分たちの手で――コープ住宅の運動
- カネの豊かさが住の豊かさを亡ぼした
- 個人の自由を支えるもの――共同体的な土台
- 経済の活力か人間の活力か
- 弱者をも抱えこむ「共存の原則」
- 社会保障を削減してきた日本の保守政治
- 大幅に切り下げられた年金と老人医療費
- 介護に疲れる家族、介護の手を抜く老人ホーム
- 貧しい人を見殺しにする国民健康保険
- ますますきびしくなる生活保護の受給制限
- 同情心や社会的公正感を葬り去ることはできない
- 六 豊かさとは何か
- 共通の生活基盤を充実させる
- 二つの自然を統一して生きる
- 労働時間を短縮し、労働のあり方を変える
- 本当の豊かさへの転換に向けて
- あとがき